メスを入れると「二度と同じ顔には戻れない」…現役医師が「安易なプチ整形・切らない施術」に警鐘を鳴らす理由〉から続く

 一度メスを入れると元には戻らない安易な美容整形の罠。しかし、現役の形成外科医が日常で「絶対にやめろ」と警鐘を鳴らす行為はそれだけではない。傷口に対する勘違いや、海外旅行中の「可愛いから触っちゃおう」という動物との接触に潜む、命に関わる致命的なリスクとは?

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 知っておくべき正しいケアと回避すべき危険を、新刊『#3大やめとけ 21人の医師が教える 寿命を縮める「ヤバい」生活習慣』(高橋書店)より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/最初から読む)


写真はイメージ ©getty

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傷を乾かしていませんか?

 傷は乾かした方が良いと思っていませんか? 実は傷を治すには「湿潤療法」といって、適度にうるおいを保つ方が、傷が早くきれいに治ります。

 植物や動物が生きるために水分が必要なように、私たちの細胞も水分がないと死んでしまいます。そのため、傷が乾いて「かさぶた」ができると、治るまでに時間が長くかかります。

 適度にうるおいを保つには、傷を洗浄した後に、軟膏を塗布し、絆創膏やガーゼを貼付します。直接ガーゼを貼付すると、傷が乾いてくっつくため、形成外科では軟膏を処方し、かさぶたを作らないように傷を治します。ただし、処置が面倒という方にはかさぶたをそのままにする場合もあります。

 ちなみに、キズパワーパッドのようなハイドロコロイド絆創膏を覆材に使用する方法もありますが、汚い傷に貼りっぱなしだったり、傷から浸み出す水分で過剰に水浸しになったりする状態は、感染の原因や創傷治癒の妨げになるので、使用する場合は注意が必要です。

 出血が止まらない、パックリ開いているような深い傷、傷がなかなか治らない、赤く腫れて強い痛みがある場合は早めに医療機関を受診してください。

海外でむやみに動物に触るべからず

 犬や猫がいると、なでたり触ったりする方も多いですよね。でも、海外ではむやみに動物に触るのは避けましょう。日本は犬や猫がワクチン接種を受けていることが多く、また、数少ない「狂犬病がない国」であるため、動物と触れあう環境が日常的に見られます。しかし、海外では状況が大きく異なります。

 まず、覚えておいてほしいのは、狂犬病は発症するとほぼ100%命に関わる病気ということです。そして、一部の国を除いて、世界中で今も狂犬病は多く発生しています。

 そして、噛まれるだけでなく、ひっかかれたり、傷口をなめられたりしても感染リスクがあります。狂犬病は犬の他、猫、キツネ、アライグマ、コウモリ、マングース、スカンクなどの動物から感染しますし、他の感染症を持っているおそれもあります。海外ではむやみに動物に近づいて触ったり、餌をあげたりするのは避け、子どもからは目を離さないようにしましょう。

 なお、狂犬病には予防接種があります。危険な地域に渡航する際は検討してみてください。また、万が一、海外で動物に噛まれてしまった場合は、すぐに傷口を石けんと水でよく洗い、現地の医療機関を受診し、傷の手当てと狂犬病のワクチン接種を受け、帰国時に検疫所に相談しましょう。

形成外科医が教える「3大やっとけ」

(1)傷は怖がらずによく洗う

 傷を「毎日よく洗ってください」と説明しても、怖がってそのままにしている人がいます。手を洗わないと汚いのと同様に、傷も洗わないと細菌が増殖して感染や創傷治癒の遅延原因となります。

 傷はシャワーや水道水で、できれば石けんを使ってよく洗ってください。その際、消毒は不要です。

(2)美容治療はしみ取り、ボトックス、脱毛から

 初めて受ける美容の治療はしみ取り、ボトックス、医療脱毛がおすすめです。これらはダウンタイムが短く、安全性も高く、費用も比較的安価で効果を実感しやすい治療で、入門の治療には最適です。

 一方、手術を要する治療はダウンタイムも長く、費用も高いうえ、安易に受けてこんなはずではなかったと後悔する方もいるので、よく調べてから選択しましょう。

(3)紫外線予防

 紫外線は少量でも長年浴びると、しみ・しわ・たるみなどの光老化や皮膚がんの原因になります。

 長袖シャツで肌を覆う、日傘の使用、帽子を被る、日焼け止めの塗布の徹底を。ちなみに、日焼け止めは、3時間に1回程度塗布することが推奨されています。

(shun@形成外科/Webオリジナル(外部転載))