葬儀トラブル相談、過去最多1007件 費用の「話が違う」が半数超 キャンセル申し出に高額請求の事例も
葬儀サービスに関するトラブルの相談が、去年、記録が残る2016年度以降で過去最多の1007件にのぼったことが、国民生活センターのまとめでわかりました。
全国の消費生活センターなどに寄せられる“葬儀トラブル”の相談件数は2020年度ごろから増加傾向にあります。
■相談の半数以上がお金の問題、2025年度は52.3%で過去最高

相談内容で最も多いのが葬儀費用に関するもので、想定した金額を上回り、高額な料金に納得できないという内容が多いということです。
お金に関する相談の割合は2025年度には52.3%で、過去最高になっています。
大切な人を亡くした直後は、参列者への連絡や相続の手続きなどやるべきことが多く、喪主が一人で対応することも少なくありません。
そうした中で葬儀費用の内訳を冷静に確認するのは難しく、業者から示された金額をそのまま受け入れてしまうケースも多いようです。
■広告の50万円プランが120万円に、キャンセル料20万円を請求された事例も

実際の相談事例を紹介します。
インターネットで近所の葬儀会社を調べ、広告に記載されていた50万円のプランで申し込みたいと連絡し、葬儀場まで遺体を搬送してもらいました。
その後の打ち合わせで、予算がないので費用を抑えたいと伝えたものの、120万円のプランを提案されました。
キャンセルしたいと伝えたところ、搬送費用として20万円を請求すると言われ、仕方なくおよそ120万円で契約したということです。
ほかにも、次のような事例が寄せられています。
インターネットで調べて50万円と記載されていたので依頼したところ、見積書にはプラン名と「一式」としか記載がなく、明細が書かれていませんでした。
会食など追加費用が発生し、総額で200万円を超え、想定していなかった高額な葬儀費用になったというものです。
葬儀の費用は規模や地域、葬儀会社によって差がありますが、全国的な相場は、家族以外も参列する一般葬でおよそ122万円、親族など身内のみで行う家族葬でおよそ96万円ということです。
■松尾善紀弁護士「基本料金の範囲が不明示」「写真はイメージ」の広告に注意

しかし、少しでも費用を抑えたいと考える人も多く、そうした中で、先の事例のようにインターネット広告をきっかけとしたトラブルの相談が目立っています。
葬儀トラブルに詳しい松尾善紀弁護士によると、安い料金の広告で顧客を集め、最終的に高額な契約に誘導するなど、広告の手口が巧妙化しているということです。
松尾弁護士に、注意が必要なインターネット広告のポイントを2つ聞きました。
1つ目は、基本料金の範囲を明示していない広告です。プランの内訳に何が含まれているか書かれていない場合、追加料金が発生する可能性があり注意が必要です。
2つ目は、「写真はイメージです」という表記です。安い料金プランの説明に載っている祭壇の写真は「イメージ」と書かれていることがあり、掲載されている料金では写真と同じサービスを受けられない場合もあるため、写真に惑わされないようにしてほしいと話しています。
■トラブル増加受けセミナー開催、1円単位で費用を説明する葬儀会社も

葬儀トラブルの増加を受け、消費者向けにセミナーを開く動きも出ています。
葬儀会社のセレモニアでは、客から葬儀に関するお金のトラブルを聞いたことをきっかけに、トラブルの事例や対策を紹介するセミナーを先週実施しました。
さらに、契約の際には費用を1円単位で細かく、時間をかけて説明するようにしているということです。
■消費者ができる対策は「担当者の対応」と「プラン内容」の確認

では、サービスを選ぶ私たちができることはあるのでしょうか。
全日本葬祭業協同組合連合会によりますと、家族が元気なうちに信頼できる葬儀会社を見つけておくだけでも、トラブルを防ぐことにつながるということです。
また、葬儀会社を選ぶ上で2つのポイントがあるといいます。
1つ目は、担当者の対応をチェックすることです。少しでも不安を感じたら、複数の会社から見積もりを取って比較することも有効だということです。
2つ目は、プランの内容を細かく確認することです。契約前に追加料金が発生する可能性もあるため、項目と料金をしっかり確認することが重要です。
事前に決められることは家族間で話し合っておくことが必要です。
(2026年7月24日放送『news every.』より)
