高級車や希少な資産を売却する場面では、想定外の税負担が生じることも珍しくない。人気アーティストの所属事務所を率いる事業家として知られるavex会長の松浦氏が保有するスポーツカーを巡り、売却時にかかる税金の計算方法が話題となっている。世界に数百台しか存在しない限定モデルとされるこの車両は、5億円で購入し8億円で売却した場合、単純計算では利益は3億円になるはずだが、顧問税理士から示された税額は3億4,900万円だったという。利益を上回る税負担が生じる可能性がある内容に、松浦氏自身も納得できない様子を見せていたと伝えられているようだ。
 
脱・税理士の菅原氏はこの疑問について、まず車などの生活用資産は本来非課税である一方、趣味のコレクションや投資目的の保有物は譲渡所得として課税対象になる点を整理する。松浦氏の車両が日常的に使う生活用資産か、投資目的の保有物かによって、税金の扱いがまったく異なってくるというのが最初の分かれ目になるという。
 
さらに大きな論点となるのが減価償却の扱いだ。譲渡所得の計算では、購入額から価値の目減り分を差し引いた金額を基準にする決まりがあるといい、これまで一度も減価償却を計上してこなかった資産であっても、売却時には償却されたものとして扱われる仕組みになっているという。加えて保有期間が5年を超えるかどうかでも税率の軽減幅が大きく変わり、わずか1日の差で税額が数千万円単位で跳ね上がりうる点も紹介された。菅原氏はこうした計算の前提そのものに疑問を投げかけ、価値が下がっていない資産に減価償却を当てはめる考え方の妥当性についても独自の視点を示している。
 
法人でこの車両を購入していた場合との比較や、生活用資産として扱われる可能性についても言及があり、同じ資産でも見方によって税負担が大きく変わりうる実情が浮き彫りになった。松浦氏はまだ車両を売却していない段階にあり、実際にどの理屈が採用されるのかは今後の判断次第だという。高額な資産の保有や売却を検討している人にとって、思わぬ税負担がどのように生じ得るのかが浮かび上がる動画となっている。