かつては「ホラ吹き」と呼ばれたことも…孫正義のソフトバンクがコアとなる「国産AI連合」の行方

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ソフトバンクグループ(SBG)の孫正義社長兼社長はトランプ大統領と会談し、米国での巨額投資を約束した。その一環で米オハイオ州にAIデータセンターと天然ガス発電所を建設するとして、起工式を行ったのが今年3月のこと。同プロジェクトは、日本政府による対米投資5500億ドル(87兆円)の第一弾案件でもあるという。

これまで孫氏の投資話は大風呂敷を広げるようなものが多かったが、今回はやや様相が異なる。同地では共和党とトランプ氏の勢力が強いことも相まって、プロジェクトが実際に動き出しているようなのだ。

前編記事『今回ばかりは様子が違う? ソフトバンク孫正義会長がぶち上げた米データセンター80兆円投資の本気度』より続く。

次々に新しいAIが登場

ここでAIビジネスに通暁する知己に解説を頼んだ。この間の国際的なAIビジネスは、「革命」という言葉が妥当なほど、大きな変化を遂げた。22年11月30日に米オープンAI(サム・アルトマンCEO)が対話型AIサービス「チャットGPT」を世に送り出し、しばらく「独り勝ち」を謳歌した。

そして目ざとい孫氏はいち早く同社にアプローチし、総額10兆円を出資してオープンAI株の約13%を取得したとされる。世上は孫氏がその勝ち組入りを果たしたと讃えた。

だが、天下は容易にして成らずの喩え通り、オープンAIから飛び出たダリオ・アモデイ氏が創業したアンソロピックが26年4月7日に驚異的な能力を持つAIモデル「クロード・ミュトス(Claude Mythos)」を発表、瞬く間に世界の関心を独占した。

国内でのプロジェクトも浮上

トランプ政権による先のベネズエラ奇襲攻撃では、著名投資家のピーター・ティール氏が創業したパランティア・テクノロジーズの総合諜報AIシステムが使用され、アンソロピックのAI技術(大規模言語モデル)も利用された。

イラン奇襲空爆では、生成AI「クロード」を情報分析や作戦立案に使用していたことは周知の事実だ。

さて、話は孫氏に戻る。ホルムズ海峡をめぐる米・イラン攻防が一進一退を続ける中で、国内ではAI基盤の開発をSBG主軸とする官民プロジェクトが浮上した。

経済産業省(藤木俊光事務次官)は6月30日、最大1兆円規模の支援事業の対象に、SBG傘下のソフトバンクとホンダ、NECとソニーグループの4社が中核となって設立した会社Noetra(ノエトラ)と、経産省所管の産業技術総合研究所(産総研)が共同で推進する「国産AI連合」を選んだ。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)も同社への支援を決定している。

ここには自動車、電機など製造業28社と、金融や物流、情報通信など非製造業16社が参加する。まさに「親方日の丸」によるAI基盤の実現に向けた官民プロジェクトのコアにSBGが位置するのである。

かつて孫氏を「ホラ吹き」と言っていた経産省幹部は今、どんな気持ちで「国産AI連合」確立に臨んでいるのだろうか。

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