若手起業家、農産物流通を起点に農村活性化 上海市

【新華社上海7月1日】中国上海市浦東新区恵南鎮で、1990年代生まれの起業家、周志剛(しゅう・しごう)さんが、農産物の流通を起点に、農村の新たな仕事と交流の場づくりを進めている。地元特産のスイカを都市部に届けるサプライチェーンを整え、遊休施設をオフィスやカフェ、共同利用スペースに再生することで、村民の就業や若者の起業を後押ししている。
恵南鎮は上海産スイカ「南匯8424」の主要産地の一つ。周さんが率いる会社では、早朝に各栽培拠点から集めたスイカを一括して選別、包装し、その日のうちに上海市街地へ出荷する。周さんは、地元産スイカの最大の強みは「鮮度」だと話す。

周さんは2022年、農産物の流通を手掛ける会社を立ち上げた。保管・加工、生鮮品の配送、飲食サービスなどに事業を広げ、25年には拠点を恵南鎮遠東村に移した。栽培から販売までを一体的に支える仕組みを整えている。
村では、長年使われていなかった共同倉庫と精米所を借り受け、会社のオフィスや関連施設に改装した。これにより遊休資産が活用され、村民20人余りの地元就業にもつながった。現在は若者の起業を支援する拠点にもなっており、農産物の生産、加工、販売に関わる事業者が村に集まるきっかけとなっている。

施設内のカフェでは、田園風景を眺めながら、当日収穫したスイカを使ったコールドブリューを楽しめる。周さんは、カフェが帰郷して起業・就職する若者や市街地から訪れる観光客に、農村での新しい暮らし方を体験してもらう場になっていると説明する。ライブ配信を行う農村のクリエーターや休憩に立ち寄る配達員、農閑期の村民らも利用しており、地域の交流スペースとしての役割も果たしている。
周さんは最近、倉庫の一部を住民向けの低価格販売店に改装した。周辺の村民は農産物や食品を身近な場所で割安に購入できる。会社の社員食堂も村民に開放しており、65歳以上の高齢者は割引価格で食事を取ることができる。(記者/張夢潔)
