小型ロケット「エレクトロン」などで知られる宇宙開発ベンチャーのロケットラボが、古くから衛星通信サービスを提供してきたイリジウム・コミュニケーションズ(イリジウム)を買収することを明らかにしました。ロケットラボは「我々は世界の通信市場において強力な挑戦者となる」と伝えています。

Rocket Lab to Acquire Iridium in Historic Deal, Creating A Fully Vertically Integrated Space Powerhouse Primed for Growth | Mon, 06/29/2026 - 07:00

https://investors.rocketlabcorp.com/news-releases/news-release-details/rocket-lab-acquire-iridium-historic-deal-creating-fully



Rocket Lab is buying Iridium’s satellite network for $8 billion to take on SpaceX | The Verge

https://www.theverge.com/science/958891/rocket-lab-iridium-acquisition-satellite-communications

ロケットラボは小型のロケットを開発するベンチャー企業で、観測用途などに用いる小型衛星を他社より割安で打ち上げた実績があります。2017年には主要部品を3Dプリンターで作成したロケットの打ち上げに成功しました。

エンジンを3Dプリンターで出力した小型・軽量ロケットの打ち上げ試験に民間ロケット会社「Rocket Lab」が成功 - GIGAZINE



イリジウムは、世界中の250万人以上の加入者に通信サービスを提供している企業で、66基の低軌道衛星群とLバンド周波数帯を利用して船舶や航空機、その他の遠隔地にいる人々をつないでいます。日本でもKDDIがサービスを提供中。以下の記事では2012年当時のイリジウム製品がどのようなものだったのかを確認できます。

衛星電話「イリジウム Extreme」を3Gが圏外になる山中で実際に使ってみた - GIGAZINE



2026年6月29日、ロケットラボはイリジウムを買収する最終契約を締結したことを発表しました。ロケットラボはイリジウムの発行済み株式すべてを1株あたり54ドル(約8800円)で取得します。これにより、イリジウムの企業価値は約80億ドル(約1兆3000億円)と見積もられます。

この契約で、ロケットラボは独自の衛星IoTやデバイス間通信、測位・航法・時刻同期、生命の安全に関わる重要なサービスなど、宇宙産業分野に幅広く進出できるようになります。



ロケットラボは「今回の買収は宇宙産業において最も革新的な取引の一つとなり、アメリカの宇宙経済において主導的な役割を果たすことになるでしょう。ロケットラボの打ち上げ能力と衛星製造技術を、イリジウムの衛星通信ネットワーク、500社を超える強力なパートナーエコシステムと融合させることで、自社で衛星を設計、構築、打ち上げ、運用する垂直統合型宇宙企業が誕生し、世界中の何百万人ものユーザーに重要な通信機能を提供します」と述べました。