楽天 新監督に吉井理人氏 “超異例”シーズン途中に外部招聘 リーグ戦再開19日から新体制
楽天が新監督として前ロッテ監督の吉井理人氏(61)を招聘(しょうへい)し19日のリーグ戦再開から新体制で挑むことが15日、分かった。10日に成績不振による三木肇監督(49)の休養を発表。塩川達也ヘッドコーチ(43)を監督代行としたが、再建に早期着手する。借金16のリーグ最下位でチーム防御率も同ワーストの3・61。投手育成にも定評があり、パ・リーグを熟知する吉井氏に立て直しを託す。
成績不振による三木監督の休養が発表されてから5日。借金16でパ・リーグ最下位に沈む中、今季終了を待たずに吉井氏が電撃的に楽天の新監督に就任する。10日の巨人戦から塩川ヘッドコーチが配置転換され、監督代行として5試合で指揮を執ったが、再建へ昨季までライバルチームの監督を務めていた男に白羽の矢が立った。
吉井氏は箕島から83年ドラフト2位で近鉄に入団。ヤクルトを経て97年オフにFA権を行使して移籍した大リーグでも活躍し、07年の現役引退まで日米7球団で通算121勝をマークした。引退後の08年からは日本ハム、ソフトバンクなどで投手コーチを歴任。卓越した理論を基に日本ハムではダルビッシュ(パドレス)、大谷(ドジャース)、ソフトバンクでは千賀(メッツ)を世界クラスの投手へ育て上げた。
14年から2年間、筑波大大学院で野球コーチング理論を研究。指導力にさらなる磨きをかけ、19年にロッテで投手コーチを任されると、実戦経験の少なかった佐々木(ドジャース)の育成プランを確立し、メジャーへと送り出した。ロッテ監督としては就任1年目の23年に前年5位だったチームを2位に導くと、翌24年も3位でCSに進出。だが、昨季は56勝84敗3分けで最下位に沈み「結果は全て私の責任です」と話して退任した。
今季の楽天は投手陣の不振が低迷の一因となっていた。先発陣では新加入の前田健がここまで5度先発も勝ち星なし。昨季防御率1・07のセットアッパー西口を欠く中継ぎ陣も、4日のDeNA戦で8回から7点リードを逆転されるなど不安定さを露呈していた。
吉井氏はこれまで選手、コーチを含めて楽天在籍経験はなし。プロ野球の長い歴史の中でシーズン途中での新監督就任例はあるが、球団外部からの新監督就任は“史上初”で超異例の人事となる。
19日のロッテ戦(ZOZOマリン)からの残り79試合での巻き返し、さらに来季以降の再建を含めた球団の本気度の高さを示す電撃就任。パ・リーグの戦力事情なども熟知する吉井新監督が、昨季までの本拠地から再出発の先頭に立つ。
○…球団外部からのシーズン途中の監督就任は、極めて異例だ。過去、75年の広島は4月30日にルーツ監督が退団し、野崎泰一コーチの監督代行を挟み5月3日に古葉竹識コーチが監督に昇格。80年の阪神は5月15日にフロントと対立したブレイザー監督の退団と同時に、中西太コーチの新監督就任を発表したが、いずれも内部昇格だった。内部昇格以外の就任例では、46年巨人は6月13日に藤本英雄投手兼監督に代わり、台湾から復員した中島治康が外野手兼任で監督就任。翌47年には読売新聞の記者だった三原修が9年ぶりにチームに復帰し、助監督を経て総監督に就任した例がある。
◇吉井 理人(よしい・まさと)1965年(昭40)4月20日生まれ、和歌山県出身の61歳。箕島から83年ドラフト2位で近鉄に入団。88年に最優秀救援投手に輝き、95年にヤクルト移籍。98年からメッツ、ロッキーズなどでプレーしメジャー通算32勝。03年の国内復帰後はオリックス、ロッテでプレーし07年に現役引退。日米通算547試合で121勝129敗62セーブ、防御率4・14。引退後は日本ハム、ソフトバンク、ロッテでコーチ、23年から昨年までロッテで監督を務めた。
