高級住宅地・目黒に急増する「違法エステ」の実態。摘発逃れで“闇民泊物件”を転々…住民に広がる不安
◆摘発強化の裏で高級住宅地・目黒区に黒い影……
2月、1都4県で営業していたメンズエステ(以降、メンエス)「神のエステ」が風営法違反(禁止地域営業)の容疑で摘発された。メンエスは、“土建”(ユーザー間の隠語。「ド健全店」の意味)なら、特段の許可なく営業できる。だが、性的サービスを提供するには風営法上の届け出が必須なうえ、許可を得ていても禁止地域では営業できない。「神のエステ」はごく普通のマンションの一室で、年間10億円も荒稼ぎしていたという。売り上げを押し上げたのは、過激な性的サービス「裏オプション」だ。
住所の情報提供を受けた記者がまず訪れたのは、都内でも屈指の人気エリア・中目黒。駅から徒歩5分ほど、大手デベロッパーが手がけた新築の高級マンションだ。本当にここでメンエスが営業しているのか。だが、店のHPにある「駅チカ」「新築高級マンション」の文言と重なる。予約の電話を入れ、住所を聞き出すとまさにここだった。闇民泊ではなかったが、こんな高級マンションにもメンエスは入り込んでいた。
この物件ほど高級ではないが、中目黒には違法メンエスが入居するマンションが多い。風俗店経営に携わり、業界事情に詳しい千葉礼音氏は、こう明かした。
「メンエスの7割は性風俗店で、大多数は住居用の賃貸マンションを借りてモグリで営業している。もちろん違法ですが、住宅街でも営業できてしまう。近年、風俗は過当競争で、風俗コンサルの指南で競合が激しい繁華街を避けて、あえて住宅街で商売する店も増えてます。さらに中華マネーが都内の不動産を買い漁っており、中国人のマンションオーナーにすれば、メンエスだろうが賃料が入ればいいので黙認している状態。こうしてメンエス営業の“許可物件”が続々と増えているのです」
◆「騒がないように」店が客に注意する理由
メンエス愛好者ゆえに度を越した営業を懸念し、今回、情報を提供してくれた夜神勃人氏は、実態をこう話す。
「目黒区は閑静で安全な住環境を求めて暮らす人が多いのに、引っ越したマンションにメンズエステが入っていたら、平日休日を問わず、不特定多数が深夜まで出入りする。そんなメンエス店が“施術”を行うルームが、私の知る限りでは、目黒区に少なくとも150室はあります」
住民はたまったものではない。中目黒のメンエスと同じフロアに暮らす30代の主婦は、悲痛な声を上げた。
「住居用賃貸なので店舗営業はできないのに、深夜にBGMらしき音楽や、外国人女性と男性客の話し声が漏れてきて……。小さな子供がいるので何かあったら心配ですが、事を荒立てるのも気が引けて警察には通報してません」
行政の対応はどうか。目黒区議の白川愛氏が答える。
「性的サービスが提供されていたという証拠がなければ、警察は動けない。ファミリー向けマンションの住人から『不特定多数がマンション内に出入りして不安」などの相談も寄せられているが、違法営業であっても問題が顕在化しにくいのが実情です」
