W杯直前での離脱を余儀なくされたキャプテンの胸中を慮った。日本代表DF谷口彰悟(シントトロイデン)はMF遠藤航の離脱に「やっぱりつらい。カタールW杯が終わってから、このチームをキャプテンとしてずっと引っ張ってきた選手。(遠藤)航の気持ちを考えるとつらいし、チームに対する影響が大きいのは間違いない」と、厳しい表情で語った。

 練習前のミーティングで森保一監督から遠藤の離脱を伝えられた際は「驚きました。ここから徐々に回復して合流してくると思っていたし、本人もそういうつもりだったと思う。いろんな判断の中で離脱になったと思うので、驚いたし、航の気持ちを考えるとすごくつらい」と繰り返した。

「みんな驚きを隠せていなかったと思うし、すぐには切り替えられなかった」というが、その後の練習への影響は否定した。「オランダ戦まで時間がないというのもみんながいい意味で集中するきっかけになっている。この出来事をみんなで消化しながら次に向かっていきたい」。新キャプテンにはDF板倉滉が決まった。

「チームキャプテンが(板倉)滉ということで、僕らは前に進むしかない。(追加招集で)代わりに入ってくる町野選手だったり、新しくチームキャプテンになった滉をみんなで温かく迎え入れながら、より一層強くなっていかないといけない場面だと思う」

 川崎F時代の後輩でもある新キャプテンには太鼓判を押す。「(板倉)滉のチームに対する存在感は、キャラクターを含めて、すごくいいものを持っている。みんなの信頼も厚い」。そのうえで「滉もここでそういう役割を与えられて、いろいろ考えることもあるだろうけど、そこは自分もサポートしたい。あまり一人で抱え込まず、心配はしていないけど、みんなで支えながらやっていかないといけない」と、全面的なサポートを約束した。

 この日の朝、ホテルで森保監督から直接、遠藤の離脱とキャプテン就任を伝えられた板倉はすぐに遠藤の部屋を訪ね、直接言葉をかわしたが、他の選手たちは遠藤に会えぬままチームを離れる形となった。

「みんなの前でしゃべるのが難しい心情は理解できる」。谷口はそう気持ちを汲み取ると、「最後話せなかったとか、そういう心残りはない。その気持ちは十分に理解しているということは、この場を通じて航に伝わればいいかなと思う」と、無念の離脱となったキャプテンを思いやった。

(取材・文 西山紘平)