脳科学者の茂木健一郎氏が、自身のYouTubeチャンネル「茂木健一郎の脳の教養チャンネル」で「人間の脳は、『変化』をこそ求めている。」と題した動画を公開。茂木氏は、幸福や成功といった特定の状態を永続的に求めるのではなく、人間の脳は本質的に「状態の変化」そのものを求めていると指摘した。

動画で茂木氏は、寒い屋外から暖かい風呂へ入る心地よさや、湯上がりのひんやりとした空気の気持ちよさを例に挙げ、「脳ってやっぱり変化が好きなんですよね」と語り始めた。この原理は、都会から田舎への移動、アクティブな活動と休息の切り替えなど、日常の様々な場面に当てはまると説明。さらに、交感神経が優位な緊張状態(ファイト・オア・フライト)と、副交感神経が優位なリラックス状態の間の移行にも、脳は喜びを感じるとした。

茂木氏はこのメカニズムを、物理的・身体的な変化だけでなく「逆境と成功」「失敗と成功」「わからないとわかる」といった、より抽象的な概念にも当てはまると主張する。人間は幸福や成功、休息といった「一つの良い状態」だけを求めがちだが、それは本質ではないと指摘。「例えば不幸の中にいたら幸福を求めるし、逆境の中にいたら成功を求める」としながらも、成功の只中にいれば、今度は「歯ごたえのあるチャレンジ」という新たな変化を求めるのが人間であると解説した。

最後に茂木氏は「変化こそが我々の脳が求めてるものなんだっていう、この気づきって僕、とても大事だと思うんです」と強調。「一つの状態にずっといることを我々は求めているのではない」と結論づけ、常に移り変わるプロセスの中にこそ、人間の本質的な喜びがあるとの見方を示した。

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