人気脳科学者の茂木健一郎氏が、自身のYouTubeチャンネルで「私たちはみんな宇宙飛行士。ときには忙しい手を止めて。生きている実感を味わおう。」と題する動画を公開。日常の中で自分が「生きている」という実感を得る難しさと、その大切さについて自身の考えを語った。

茂木氏はまず、「後から振り返ると、あの時は幸せだったなって気づくことってあると思うんですよ」と切り出し、私たちは日々の忙しさの中で生きている実感を振り返る暇もなく過ごしていると指摘。その上で「でもあの時一生懸命生きてたけど、それはそれで幸せだったんだよなって思うってことはある」と、多くの人が感じる“後から気づく幸せ”を説いた。

この現象を、宇宙飛行士の体験になぞらえて解説。「宇宙飛行士が宇宙活動で忙しくて、宇宙にいるってことの経験を振り返れないっていうのにちょっと似てるんですよね」と語り、船外活動で宇宙空間にいる際にも作業に没頭していると自分が宇宙に浮いている貴重な瞬間を実感できない状況を紹介。「たまたま2~3分でも自分が宇宙にぼーっと浮いてるって、それを振り返る時間ができたときに、『あれ?宇宙にも浮いてるぞ』って意味を味わう」と、リアルタイムでの“気づき”の価値を強調した。

茂木氏はさらに、「我々、生きてるってちょっと宇宙飛行士みたいなものだと思うんだよね」とし、「生きてることはすごい奇跡的なことで、ものすごい大事なことなんだけど、それが普段はいろいろなこと、生きるための目的や悩みで見失われがち」と語る。そして、「だから振り返って幸せだと思うっていうのは、リアルタイムでは味わえなかったのに、後で振り返って『生きてるってすごいな』と思えるとき」と、人生の幸せの本質に言及。

「僕のその生きがいという概念は、まさにそこなんで、生きてることそのものなんですよね。目的とか最終的なゴールではない」と語り、生きる目的を求めるのではなく、いま“生きている”という奇跡的な瞬間そのものを味わうことが重要だと提言した。

動画の最後では、「もし、その、我々が今生きてるっていうこの奇跡そのものに、時には目を向けられたら、その瞬間とても幸せになる。そして自分が生きてるってことが、ほんと奇跡的なことだと気づくのではないかな」と締めくくり、誰もが自身の「今」を味わうことの大切さをリスナーに強く呼びかけた。

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