「本気でニセモノをつくると、そこに至高が顕れる。」と題する動画で、脳科学者の茂木健一郎氏が、世の中の“価値”について独自の視点を展開した。茂木氏は、価値のないものを高額で売る商売が批判されがちな一方で、「プラシーボ効果というものがある」と指摘。「例えば砂糖の塊を“これは薬です”と言って与えると、実際に効いてしまうことがある」「人間の脳は思い込みや自己暗示によって価値を感じてしまう」とし、価値というものがそもそも物質的なものではなく、認識によって生み出される“幻”であると語った。

モナ・リザのような名画の価値も、現代アートを“偽物”と軽んじる声も、「実は全部プラシーボ、全部思い込みなのだ」とコメント。「本当に我々が価値があると思っているものも、実は根拠がない。ただ思い込んでいるだけ」と述べ、改めて“価値の錬金術”の本質を問う必要性を強調した。

茂木氏は、「主観的な価値については、何の意味もないと思われるようなものでも信じて高いお金を払ってしまうことがある」「それを人を騙していると非難する一方で、提供側もある種“自分を騙している”部分がある」と、人間の不思議な価値観を分析した。

さらに、「モナ・リザを描いたダ・ヴィンチは“これは傑作だ”と思ったかもしれないし、ルーブル美術館もそれをすごいと思う。観客も感動する。そこには共同幻想のようなものがあるが、究極をいえば無根拠だ」と語った。文化や美術などで価値を感じる面白さは、「どれだけ本気でプラシーボ、言葉を変えれば“本気で偽物”を作れるか」にあると持論を述べ、「僕はそこにこそ価値があり、至高が顕れると思う」と結んだ。

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