動画タイトル「『自己意識』ではなく、『情報』が個人を定義する」にて、脳科学者の茂木健一郎氏が“私”の本質について持論を展開した。茂木氏は「私が私であるという感覚は非常に不思議なもので、世界に自分だけしかいないという独我論的な感覚にもつながる」と述べつつ、「私が今ここにいるという構造自体は、人間に共通している」と語り、“自己意識”のベースには普遍性があると強調した。

茂木氏によると、「私が私であるという自己言及性は、人間である以上、誰もが持つ共通構造」だが、成長や他の動物との違いなどでその“ずれ”も生まれるという。一方で、犬や猫などの動物も「私が私であるという構造を持っているかもしれない」として、ヴィトゲンシュタインの“家族的類似”の概念を紹介。「家族のように似ているだけで、共通エッセンスがあるわけではない」と述べた。

こうした考えから、「世界、宇宙の中に意識は一つしかない。原型としては一つ」とし、では「私」を規定するものは何かと問いかける。「私の声や顔、記憶などは情報に過ぎない。私が私であるとか、あなたがあなたであるということも情報」とし、最終的に「自分を規定するものは“情報”だということになる」と語った。

「情報は置き換え可能なものであり、AIでも扱える」と指摘したうえで、「ただ、家族的類似で結びつけられた自己意識の構造に情報が串刺しされると、そこに“人間の爆誕”が起きる」と分析。“人間誕生の不思議な構造”について独自の見解を示した。

最後に茂木氏は、「自己意識そのものよりも、個人を定義しうるものは情報の連なり。その情報が特殊な構造に結びつくことで、人間という存在が生まれる」としめくくり、新たな視点から自己・意識の本質を問い直す動画となった。

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