2025年大阪・関西万博のフェスティバルステーションホールで開催された「万博オペラ音楽祭」に、脳科学者・茂木健一郎氏、佐賀新聞社長・中尾清一郎氏、指揮者・河村逸平氏が登場。動画では、3人がオペラの魅力や万博の意義、そして現代を生きる私たちが音楽とどう向き合うべきかを語り合った。

茂木氏は「人間の脳はオーケストラのように神経細胞が響き合っている」とし、「オペラを聴くと脳がいい音楽になってくる。今日ここを出る頃には、皆さんの脳の音楽も少し良くなっているはず」と独自の見解を述べ、聴衆の興味を引いた。

中尾氏は、「1970年の大阪万博では日本の将来に夢と希望しか感じなかった。今の時代は不安や絶望も多いが、万博が再び大阪にやってきて、人々が一堂に集い明るさを感じさせてくれる」と当時を振り返りつつ、万博の意義を力強く語った。

トークはオペラ作品の話題へ。「ワーグナーの『ジークフリート』や、ヴェルディ『ドン・カルロ』、リヒャルト・シュトラウスの『ばらの騎士』など自分の好きな演目を挙げ、それぞれの見どころや個人的なエピソードを披露。「ドイツ語やイタリア語なので難しく感じるが、『その先にある感動は本当にすごい』」とオペラの奥深さを伝えた。

河村逸平氏も飛び入り参加し、「オペラの現場では想定外のアクシデントや、歌い手の即興対応が魅力」だと裏側を明かした。また、日本のオペラ団体のレベルの高さを強調し、「ぜひ一度、手頃なチケットで生の舞台を体験してほしい」とメッセージ。

さらに、中尾氏は「昔はLPレコードで必死に歌詞を追いかけながら聴いたけれど、今はYouTubeで気軽に鑑賞できる時代。好きなオペラやアリア集を家でリラックスして聴いてみてほしい。」と“中尾流・オペラの楽しみ方”を伝授し、茂木氏も「ドーパミン系が活性化して前頭葉回路が強くなる」と応じた。

終盤は「世界中の知識や知性が簡単に手に入る時代、それを使わないのはもったいない」とし、「オペラやクラシックがもたらす感動と精神の高みを、ぜひ味わってください」と締めくくった。

茂木氏が「ビリー・アイリッシュやK-POPも好き。音楽に優劣はないけれど、せっかくなら名作オペラも一度聴いてほしい」と呼びかけると、中尾氏も「万博会場の多国籍な旗が平等に並ぶ光景は、平和や多様性の象徴。音楽とともに世界の素晴らしさを感じてほしい」とメッセージ。大盛況で幕を閉じたトークセッションとなった。

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