フジテレビ 関連の問題を受けてJAAが広告業界に向け緊急提言を発表。いま、広告主に求められるものは何なのか
公益社団法人日本アドバタイザーズ協会(以下JAA、川村和夫理事長)は2月4日、広告業界への緊急提言を発表した。元タレントである中居正広さんと女性とのトラブルへの対応が問題視されたフジテレビ関連の事案を背景に発表されたもの。JAAは書面において、「メディアを通じた広告コミュニケーションは、生活者によるメディアへの信頼があって初めて成立するものであり、現在の状況は、特定のメディアや特定の広告主だけの問題ではなく、広告業界全体の問題として捉えなければならない」とし、「現在、広告への信頼が大きく揺らいでいる」と強調した。
緊急提言は主に「人権擁護の徹底」「ファクトチェックの徹底」「集団的暴力による被害の抑止」「メディアリテラシーの向上」の4項目について言及。主な内容は次のとおり。
1.人権擁護の徹底
基本的人権は、侵すことのできない永久の権利であるとして日本国憲法において保障されており、自由で平等な社会を実現するために不可欠なものである。広告業界においても、広告に関わる全ての人々を個人として尊重し、あらゆる差別を許さず、人権を侵害しないという当然の姿勢を、今一度徹底しなければならない。そのためには、必要に応じて「人権方針」を策定し、人権擁護の実現に向けて従業員に対する教育・研修を実施する等の具体的施策に取り組むべきである。
2.ファクトチェックの徹底
情報の真偽を見極めることの重要性を今一度認識し、ファクトチェックを徹底すべきである。広告業界において、十分な裏付けのない不確かな情報を安易に発信することは、一人の人間、一つの企業の存在をいとも簡単に脅かし、ひいては業界全体の衰退につながる危険性を孕んでいる。
3.集団的暴力による被害の抑止
昨今、SNS 等において生じている名誉毀損、誹謗中傷等は、まさに「集団的暴力」とも言うべき甚大な人権侵害であり、深刻な社会問題である。広告業界は、これに加担せず、そのような「集団的暴力」は断じて許されないことを毅然とした態度で表明し、被害拡大の抑止に努めるべきである。
4.メディアリテラシーの向上
情報化社会においては、生活者自身のメディアリテラシー向上も重要な課題であり、発信された情報を鵜呑みにせず、その情報の信頼性や正確性を様々な角度から検証する力を養う必要がある。広告業界もまた、情報化社会の一翼を担う存在として、メディアリテラシー向上のための情報発信や教育啓発に積極的に協力すべきである。
文/島田涼平
