ゲーミングPC市場で盛り上がるマウスパッド、売れ筋はXLサイズ - 古田雄介の家電トレンド通信
今回は、PCパーツやゲーミングPC用アイテムの品揃えで定評のある秋葉原のパソコンショップアークを訪ね、マウスパッドの売れ筋を取材しました。
マウスパッドは、近年ラインアップが増加の一途をたどっていて、同店でも大量のサンプルを並べるためにハンガーに吊す手法を取り入れるなどの工夫を凝らしていました。スタッフの磯田尚輝氏は「ゲーム環境を整えるうえで、キーボードやマウスと同じくらいに重視されるようになっていますね。マウスを操作する、ゲームをプレイする舞台を整えるみたいな感じかもしれません」と言います。
パソコンショップアークのゲーミングデバイス売り場。店舗スタッフの磯田尚輝氏に解説してもらった
とりわけ、高速で繊細なマウス操作が求められるFPS(ファーストパーソン・シューティングゲーム)をプレイする人は、自分にフィットする最適なマウスパッドを追い求める傾向があり、売れ筋製品の特徴にも現れています。「本格マウスパッド導入の3ポイント」を踏まえて、直近の売れ筋を見ていきましょう。
○<本格マウスパッド導入の3ポイント>
FPS向けは肘も使って大きく動かせる広さが好まれるため、主流は横450〜490×縦400〜450mmのXLサイズ。
定番どころを諦めずに選びたいなら、予算の目安はソフトタイプ(XL)で6,000〜7,000円。
将来的には滑りやすいガラス製を検討する手も。XLサイズの相場は15,000円〜17,000円ほど。
※本文と写真で掲載している価格は、2024年7月24日13:00時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見てください。
第1位:オールラウンドに愛される「NINJA FX ゼロ」
一番人気となっていたのは、Artisanの「NINJA FX ゼロ」でした。ポリエステルの丸編み生地を採用した3mm厚の製品で、縁はステッチエッジ加工を施しています。取材時の価格は5,280円でした。
「滑りと止まりがどちらもちょうどいい、ハイレベルでバランスの取れたマウスパッドですね。裏面(ソール)もしっかり机に張り付く構造で、激しく動かしても全然動きません。オールラウンダーといった感じで、定番中の定番といった売れ方を続けています」
「NINJA FX ゼロ」のタグ
Artisan「NINJA FX ゼロ」
第2位:滑りやすさを重視する人に選ばれる「NINJA FX 疾風 乙」
Artisanはブランドとしても不動の人気を誇っているとのことで、2位も同社の「NINJA FX 疾風 乙」が選ばれました。NINJA FX ゼロと同じ厚みのポリエステル製で、滑走面にはジャガード編み生地を採用しています。価格は6,490円でした。
「バランスタイプのゼロに対して、こちらはマウスがよく滑るスピードタイプに寄った仕様です。素早く滑るのでマウスが機敏に動かせますが、その分コントロールには技術が求められます。少しピーキーというところが1位と2位の差を生んでいるのかなと思います」
「NINJA FX 疾風 乙」のタグ
第3位:3mm厚と4mm厚が選べる「Pulsar ES2 Mouse Pad XL」
続く3位には、ポリウレタン素材を使ったPulsarのソフトモデル「Pulsar ES2 Mouse Pad XL」がランクインしました。厚みは3mmで、ニットポリファブリック生地を採用しています。価格は4,979円。
「こちらも1位に近くてバランスタイプといえる仕様で、定番といえる存在です。よりコントロール性を求める人は同シリーズの4mm厚が好まれますが、総合的に見るとより売れているのは3mm厚タイプになりますね」
「Pulsar ES2 Mouse Pad XL」のトールケース
3mm厚と4mm厚タイプ
第4位:ソフトタイプでもハード級の滑り心地「SV BASE Control+」
4位は、FreeFallのスクウェアモデル「SV BASE Control+」。シリコンなどの素材を独自にブレンドした素材「SV」を採用しているのが特徴です。厚みは3mmで、サイズは450×450mm。価格は6,480円でした。
「布製のソフトマウスパッドながら、プラスチック製やガラス製のハードマウスパッドのような硬さを実現しているのが特徴です。ソフトだけどハード並み、それに近い滑りやすさを求める人に注目されています」
「SV BASE Control+」のトールケース
「SV BASE Control+」
第5位:ガラス製マウスパッドの定番「Thunder Glass」
5位には、ハードタイプのマウスパッドがランクインしました。Dream Gamerのガラスタイプ「Thunder Glass Mousepad Black 45×40」で、取材時の価格は10,980円です。机との間の摩擦力を高める滑り止めシールや、3種類のマウス用ソールも同梱しています。
「ガラス製マウスパッドもラインアップが増えていますが、多くはXLサイズで15,000円以上するんですね。しかし、Dream Gamerのこのシリーズは1万円ちょっとから買えて、マウス用ソールなどの同梱品も充実しています。耐久性にも定評があって、コスパの高さからガラス製の入門的な位置にありますね」
「Thunder Glass」のトールケース
はみ出し情報…ピーキーぶりで愛される布製パッド「Neptune Pro Soft XL」
個性の強いマウスパッドは人を選ぶため、ランキング上位には入りづらいところがありますが、知る人ぞ知るコアな人気を得ていたりもします。そうしたマウスパッドの典型例として、磯田氏はリーサルゲーミングギアの「Neptune Pro Soft XL」を挙げます。4mm厚のポリエステル製モデルで、価格は10,890円でした。
「マウスを軽く持って動かすとすごくよく滑るのですが、ちょっと力を入れてマウスを沈ませると、一気に止めが強くなります。微妙な力の入れ具合で滑り具合が全然違ってくるんですよね。すごくピーキー。だからこそ、使いこなせたら替えの効かない存在になります」
「Neptune Pro Soft XL」
著者 : 古田雄介 ふるたゆうすけ フリーランスライター。『アキバPick UP!』(ITmedia PC USER/2004年〜)や『売り場直送! トレンド便』(日経トレンディネット/2007〜2019年)などのレポート記事を手がける。デジタルと生老病死のつながりにも詳しい。著書に『スマホの中身も「遺品」です』(中公新書ラクレ)、『ここが知りたい!デジタル遺品』(技術評論社)、『故人サイト』(社会評論社)など。 この著者の記事一覧はこちら
マウスパッドは、近年ラインアップが増加の一途をたどっていて、同店でも大量のサンプルを並べるためにハンガーに吊す手法を取り入れるなどの工夫を凝らしていました。スタッフの磯田尚輝氏は「ゲーム環境を整えるうえで、キーボードやマウスと同じくらいに重視されるようになっていますね。マウスを操作する、ゲームをプレイする舞台を整えるみたいな感じかもしれません」と言います。
とりわけ、高速で繊細なマウス操作が求められるFPS(ファーストパーソン・シューティングゲーム)をプレイする人は、自分にフィットする最適なマウスパッドを追い求める傾向があり、売れ筋製品の特徴にも現れています。「本格マウスパッド導入の3ポイント」を踏まえて、直近の売れ筋を見ていきましょう。
○<本格マウスパッド導入の3ポイント>
FPS向けは肘も使って大きく動かせる広さが好まれるため、主流は横450〜490×縦400〜450mmのXLサイズ。
定番どころを諦めずに選びたいなら、予算の目安はソフトタイプ(XL)で6,000〜7,000円。
将来的には滑りやすいガラス製を検討する手も。XLサイズの相場は15,000円〜17,000円ほど。
※本文と写真で掲載している価格は、2024年7月24日13:00時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見てください。
第1位:オールラウンドに愛される「NINJA FX ゼロ」
一番人気となっていたのは、Artisanの「NINJA FX ゼロ」でした。ポリエステルの丸編み生地を採用した3mm厚の製品で、縁はステッチエッジ加工を施しています。取材時の価格は5,280円でした。
「滑りと止まりがどちらもちょうどいい、ハイレベルでバランスの取れたマウスパッドですね。裏面(ソール)もしっかり机に張り付く構造で、激しく動かしても全然動きません。オールラウンダーといった感じで、定番中の定番といった売れ方を続けています」
「NINJA FX ゼロ」のタグ
Artisan「NINJA FX ゼロ」
第2位:滑りやすさを重視する人に選ばれる「NINJA FX 疾風 乙」
Artisanはブランドとしても不動の人気を誇っているとのことで、2位も同社の「NINJA FX 疾風 乙」が選ばれました。NINJA FX ゼロと同じ厚みのポリエステル製で、滑走面にはジャガード編み生地を採用しています。価格は6,490円でした。
「バランスタイプのゼロに対して、こちらはマウスがよく滑るスピードタイプに寄った仕様です。素早く滑るのでマウスが機敏に動かせますが、その分コントロールには技術が求められます。少しピーキーというところが1位と2位の差を生んでいるのかなと思います」
「NINJA FX 疾風 乙」のタグ
第3位:3mm厚と4mm厚が選べる「Pulsar ES2 Mouse Pad XL」
続く3位には、ポリウレタン素材を使ったPulsarのソフトモデル「Pulsar ES2 Mouse Pad XL」がランクインしました。厚みは3mmで、ニットポリファブリック生地を採用しています。価格は4,979円。
「こちらも1位に近くてバランスタイプといえる仕様で、定番といえる存在です。よりコントロール性を求める人は同シリーズの4mm厚が好まれますが、総合的に見るとより売れているのは3mm厚タイプになりますね」
「Pulsar ES2 Mouse Pad XL」のトールケース
3mm厚と4mm厚タイプ
第4位:ソフトタイプでもハード級の滑り心地「SV BASE Control+」
4位は、FreeFallのスクウェアモデル「SV BASE Control+」。シリコンなどの素材を独自にブレンドした素材「SV」を採用しているのが特徴です。厚みは3mmで、サイズは450×450mm。価格は6,480円でした。
「布製のソフトマウスパッドながら、プラスチック製やガラス製のハードマウスパッドのような硬さを実現しているのが特徴です。ソフトだけどハード並み、それに近い滑りやすさを求める人に注目されています」
「SV BASE Control+」のトールケース
「SV BASE Control+」
第5位:ガラス製マウスパッドの定番「Thunder Glass」
5位には、ハードタイプのマウスパッドがランクインしました。Dream Gamerのガラスタイプ「Thunder Glass Mousepad Black 45×40」で、取材時の価格は10,980円です。机との間の摩擦力を高める滑り止めシールや、3種類のマウス用ソールも同梱しています。
「ガラス製マウスパッドもラインアップが増えていますが、多くはXLサイズで15,000円以上するんですね。しかし、Dream Gamerのこのシリーズは1万円ちょっとから買えて、マウス用ソールなどの同梱品も充実しています。耐久性にも定評があって、コスパの高さからガラス製の入門的な位置にありますね」
「Thunder Glass」のトールケース
はみ出し情報…ピーキーぶりで愛される布製パッド「Neptune Pro Soft XL」
個性の強いマウスパッドは人を選ぶため、ランキング上位には入りづらいところがありますが、知る人ぞ知るコアな人気を得ていたりもします。そうしたマウスパッドの典型例として、磯田氏はリーサルゲーミングギアの「Neptune Pro Soft XL」を挙げます。4mm厚のポリエステル製モデルで、価格は10,890円でした。
「マウスを軽く持って動かすとすごくよく滑るのですが、ちょっと力を入れてマウスを沈ませると、一気に止めが強くなります。微妙な力の入れ具合で滑り具合が全然違ってくるんですよね。すごくピーキー。だからこそ、使いこなせたら替えの効かない存在になります」
「Neptune Pro Soft XL」
著者 : 古田雄介 ふるたゆうすけ フリーランスライター。『アキバPick UP!』(ITmedia PC USER/2004年〜)や『売り場直送! トレンド便』(日経トレンディネット/2007〜2019年)などのレポート記事を手がける。デジタルと生老病死のつながりにも詳しい。著書に『スマホの中身も「遺品」です』(中公新書ラクレ)、『ここが知りたい!デジタル遺品』(技術評論社)、『故人サイト』(社会評論社)など。 この著者の記事一覧はこちら