【前園真聖コラム】第433回「次期監督選びの前に必要なこと」
カタールワールドカップについては、クロアチア戦が勝てた試合だっただけに残念という思いが続いています。一方で、ドイツとスペインという強豪国に勝ったことは評価すべきだと思います。
そういう点をすべて踏まえて今回のワールドカップでどんな課題が浮上したか、ここからしっかりと検証すべきでしょう。ところが、検証の前に監督人事問題が浮上していることには違和感を覚えます。
一番大切なのは、日本が今後どういう方向にサッカーを伸ばしていくかでしょう。今回のカウンターがうまくいったからといって、そちらに特化する方向に進むのは、僕は違うと思います。
これまでのワールドカップのベスト8以上を考えると、どのチームもいろいろな武器を持っていたことが分かります。ポゼッションは出来るけれども、カウンターも鋭い。さらに引いて守りも固められる。それを状況に応じて使い分けることが出来ました。今回のモロッコはカウンターを中心に勝ち上がってきましたが、それは例外なんです。
では今回の日本代表がどうだったか。カウンターは通用しました。ですがポゼッションに関してはコスタリカ戦を除いて低い数字です。
僕は日本人がやりたいサッカーは、ボールを保持して主導権を握るサッカーだと思います。パスをつないで連動して相手を崩してくサッカーが日本の得意とするところのはずです。
そう考えると、今回のカウンターのよさを残しつつも、今後はポゼッション率を高めるというのが今の日本の課題であり、それを実現できる監督を選ぶべきではないでしょうか。
今後の日本サッカーをどうするかというコンセプトをきちんと打ち出し、その条件に合う監督を選ぶ。それが今の日本のサッカーに必要なことだと思います。
(撮影:岸本勉/PICSPORT)
そういう点をすべて踏まえて今回のワールドカップでどんな課題が浮上したか、ここからしっかりと検証すべきでしょう。ところが、検証の前に監督人事問題が浮上していることには違和感を覚えます。
一番大切なのは、日本が今後どういう方向にサッカーを伸ばしていくかでしょう。今回のカウンターがうまくいったからといって、そちらに特化する方向に進むのは、僕は違うと思います。
では今回の日本代表がどうだったか。カウンターは通用しました。ですがポゼッションに関してはコスタリカ戦を除いて低い数字です。
僕は日本人がやりたいサッカーは、ボールを保持して主導権を握るサッカーだと思います。パスをつないで連動して相手を崩してくサッカーが日本の得意とするところのはずです。
そう考えると、今回のカウンターのよさを残しつつも、今後はポゼッション率を高めるというのが今の日本の課題であり、それを実現できる監督を選ぶべきではないでしょうか。
今後の日本サッカーをどうするかというコンセプトをきちんと打ち出し、その条件に合う監督を選ぶ。それが今の日本のサッカーに必要なことだと思います。
(撮影:岸本勉/PICSPORT)
1973年生まれ。横浜フリューゲルス、ヴェルディの他、ブラジルなどでプレー。アトランタ五輪では、主将として28年ぶりに五輪出場を決めた。2005年引退後は解説の他、少年サッカー普及に従事。2009年、ビーチサッカー日本代表としてW杯に出場。ベスト8に貢献した。