阪神淡路大震災25年…残された被災時の性犯罪対策という課題

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「まいどなニュース」が1月16日、95年1月に発生した阪神・淡路大震災当時の性被害について取り上げた。この特集が、注目を集めている。これまで指摘されることの少なかった問題であり、25年という時が経過しながらも残された課題といえそうだ。

記事には、仮設住宅に暮らしていたシングルマザーの話が明かされていた。ある初老の男性が手厚く世話を焼いてくれていたが、彼女がお礼として夕食に誘うと突然「抱かせろ」と態度を豹変させたというのだ。

「阪神・淡路大震災や11年3月の東日本大震災では、レイプ事件も伝えられています。震災が発生すると人命救助が優先となり、警察や消防の取り締まりが手薄になる。そうした隙をついて小さな罪を犯し、味をしめると過激な犯行に及んでいく。非常時の不安や一種の解放感から、弱い立場に暴力が向かうのでしょう」(社会部記者)

被災時には、あらゆる場所に性犯罪の標的となるリスクがーー。それは本来、身を守るための場所となる避難所でも数多く報告されている。

「避難所では『更衣室をダンボールで作ったらのぞかれた』『キスしてと言われた。トイレまでついてくる』などの被害も伝えられています。しかし声をあげても『生きるか死ぬかの時に何を言っている』と相手にされない場合も。また相手の男性が若いからという理由で、『見て見ぬフリをされた』というケースもあるようです」(前出・社会部記者)

国は13年6月に災害対策基本法を改正。避難所の生活環境整備を自治体に求めた。16年4月に内閣府が作成した避難所運営ガイドラインには「性犯罪防止策の検討が必要」とも盛り込まれている。

しかし西日本新聞によると直後に発生した熊本地震では、ボランティアの少年が10代少女の布団に潜り込んで服を脱がすという事件も発生していた。少女側は民事訴訟で全面勝訴となったが、「明らかな暴行、脅迫があったと認められない」として少年は不起訴に。少女の母親は「娘の傷は一生消えない」と憤ったという。

「避難所の運営は男性が多く、女性の生活についての想定が甘いケースもあります。声に出さないだけで、知らない男性と同じ空間で眠ることを恐怖に感じる女性も数多くいます。『被災時だから』と諦めさせるのではなく、平時から行政と地域が話し合い協議を重ねることが必要ではないでしょうか。女性が運営に参加したり、『意見するのはいいこと』という環境を作るのも大事です。性被害を受けるのは女性だけでなく、男の子のケースも。誰ひとり性犯罪に怯えることなく、安全に避難できる環境づくりが求められています」(全国紙記者)

震災が発生すると、被災者同士の助け合いや無償ボランティアなどの美談に注目が集まる。しかし性被害の苦しみが繰り返されないためにも、こうした影の部分も見つめる必要があるだろう。