オールブラックス恒例の「ハカ」を取り囲むイングランドの「V字」陣形【写真:Getty Images】

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ワールドラグビーがイングランドに科した罰金は28万円

 ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会は準決勝でイングランドがニュージーランドを下し、決勝進出を決めた。この一戦で話題を呼んだのは試合前にオールブラックス伝統の「ハカ」にイングランド選手たちが応酬。V字隊列で取り囲むシーンは今大会屈指の名場面となったが、主催者の国際統括団体ワールドラグビーはこの行動でイングランドに罰金処分を科した。罰金は2000ポンド(約28万円)となったが、台風被害に遭った日本に寄付することに決まった。英紙が報じている。

 英紙「テレグラフ」によると、イングランドに科された罰金は2000ポンドだった。大会規約では対戦チームはキックオフ前に敵陣に入ることは許されておらず、ハカの際に、イングランドのV字隊列の両端の6選手がV字編隊で敵陣に侵入。これが規約違反の対象となったと報じられている。

 記事によるとイングランドに対しては28日に罰金処分を知らせていたといい、さらに「この罰金は台風ハギビス救済資金に寄付される予定だ」とも伝えている。

 イングランドはニュージーランドに対し、世界中を驚かせる奇襲をしかけていた。オールブラックスが「ハカ」の隊列を組み、リード役が掛け声を上げ始めると、イングランドも動いた。敵陣にゆっくり歩き出すと、センターサークル付近でV字の陣形を形成。中央のオーウェン・ファレル主将は笑みを浮かべるなど、不敵な態度を崩さず。精神的な優位性を示し、開始96秒のノーホイッスルトライにつなげて見せた。

 イングランドが犯した違反で払った罰金が、巡り巡って日本の台風からの復興に役立てられることとなった。(THE ANSWER編集部)