トヨタ社長は70cm高い景色を夢見る
「最後まで走りきることの難しさは誰よりも分かっているつもり」。29日に都内で開いた報道説明会で、ドライバーの中嶋一貴選手は力を込めた。2年前には自らがトップを快走しながら、ゴール直前の不具合によりまさかのマシンストップでリタイアしているため言葉に重みがある。
さらに、昨年の大会までル・マンを3連覇したポルシェがWECを撤退し、今シーズンから最高位クラス「LMP1」に参戦する自動車メーカーはトヨタのみになった。そのため、レギュレーション(技術規則)が変更され、トヨタはハイブリッドシステム搭載車で参戦するが、ハイブリッドを搭載しないプライベーターチームの車両には燃料量増加や軽量化が許された。
ポルシェの撤退によりトヨタは勝って当然との見方がある。しかし、技術規則の変更でプライベーターチームも侮れない。昨年はリタイアしたドライバーの小林可夢偉選手は「去年よりも速く、24時間走りきることは本当の意味のチャレンジ」と言い切る。WEC参戦はトヨタの代名詞でもあるハイブリッドの技術を磨き、量産電動車の開発にもつなげる狙いがある。
