「日本製鉄」復活、稲山嘉寛と永野重雄からの悲願
「社名は今はこれでいい。いずれその時期が来る」。2012年10月、当時の新日本製鉄と住友金属工業が合併して現社名になった時から新日鉄出身のある最高幹部はこの日が来るのを予想していた。
ただ、海外での商号は「NIPPON STEEL&SUMITOMO METAL CORPORATION」とフル表記している。世界のシームレスパイプ市場で圧倒的なブランド力を持つ「井桁」マークが必要だったからだ。
実は、旧新日鉄発足当時から同社の海外商標は「NIPPON STEEL CORPORATION」だった。明治の官営八幡製鉄所をルーツとし、それに民間製鉄所が大同団結して1934年に発足した旧日本製鉄。
戦後、連合国軍総司令部(GHQ)による過度経済力集中排除法で引き裂かれたが、再統合が実現した際、稲山嘉寛、永野重雄両氏の「統合時の日本名は『新』が付いても良いが、海外の名称は復活させよう」との合意があったといわれる。
(文=八木沢徹)
