牛丼の「すき家」のCMを見ていて、鳥肌が立ったのは筆者だけだろうか。

 「う〜ん、うまい」「うんまーい!」「おいしいねぇ」。牛丼を食べる人々の言葉の間に「きょうも330円」「あしたも330円」「いつでも330円」とのナレーションとテロップ。そして「牛丼新時代」と締めくくる。

 ゼンショーが運営する「すき家」の店舗数が「吉野家」を抜いて牛丼チェーンのトップに躍り出たのが2008年9月末の時点だ。「いつの間に?」とネットでも大きな話題になったのは記憶に新しい。
 その1ヶ月前にも話題が盛り上がっていた。「キン肉マン」とのコラボレーションだ。マンガ連載開始29(=肉)周年を記念した「キン肉マン祭り」をゼンショー傘下の「すき家」「なか卯」合同で展開した。キン肉マンの読者・視聴者世代からは、「キン肉マンが吉野家を裏切った!」と大きな反響があった。マンガの中に「吉野屋(←家ではない)」が登場し、アニメの中では「牛丼一筋300年、早いの、美味いの、安いの〜」と、吉野家を連想させる表現があったからだ。
 さらなる話題もすき家がさらう。今年4月には「値下げで価格に敏感な消費者の来店を促す」として、牛丼の価格を下げ、現在の価格である330円とした。吉野家には対抗値下げができない理由があった。米国産の牛肉を主に使用しているため、すき家が主に使用する豪州産よりも仕入れ単価が約1.5倍高いのだ。


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