食べ放題の店に足を運ぶと、つい元を取ろうと欲張ってしまう人は多いのではないだろうか。好きなものを好きなだけ取れる開放感がある一方で、大量に食べる客がいる店は本当に利益が出ているのか気になるところだ。実は、その疑問の裏には、飲食店経営ならではの巧妙な仕組みが隠れているのだ。
 
脱・税理士の菅原氏は動画の中で、食べ放題の値段設定について言及する。料金は「たくさん食べる客」を前提に組まれており、そうした客が来店しても店側が赤字にならないよう、あらかじめ余裕を持たせた金額が設定されているのだという。加えて、食べ放題では提供するメニューがある程度決まっているため、幅広い食材をそろえる必要がなく、大量調理によって仕入れの単価を下げやすいと菅原氏は説明する。セルフサービスによる人件費の抑制や、時間制限による回転率の高さも利益を支えているという。
 
さらに動画では、来店する客層の構造にも触れられている。食べ放題は一人で訪れるよりも、家族や仲間と複数人で訪れるケースが多く、なかでも子供が行きたいと選んだ店に大人がついてくるという流れが起きやすいのだという。大食いの客が周囲を誘って来店してくれること自体が、店にとってはありがたい集客の後押しになっている。加えて飲み放題も同様の構造が成り立っており、飲み物の原価は総じて低く、人気の高い銘柄ほど利益を生みやすいのだと菅原氏は話す。日々の提供データを積み重ね、どの料理がよく出てどの料理が余りやすいかを把握し、廃棄のロスを抑える工夫を重ねているという。
 
動画の終盤で菅原氏は、この仕組みをギャンブル業界の構造になぞらえる。一部の客が大量に消費したとしても、大多数の客がそこまで消費しない状況があれば、店全体としては十分な利益を確保できるという考え方だ。では、実際にどれほど食べれば店側が損をするラインに達するのか。菅原氏は具体的な原価と価格の関係を示しながら、その境界線がどこにあるのかを動画の中で紹介した。数字を突き合わせていくと、多くの人が思っている以上に店側には余裕があることが見えてくる。飲食店の経営や消費者心理に関心がある人にとって、価格設定と客の心理をどう組み合わせれば利益が生まれるのかを考えさせられる内容だ。

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