裁判を傍聴していると「被告人が二度と同じ過ちを犯さず、そして新たな被害者が生まれないように」と強く願うことは多い。しかし残念ながら、再犯率は決して低くはないのが実情だ。法務省が発表した『令和4年版犯罪白書』によると、令和3年に検挙された刑法犯17万5041人の内、初犯者は9万9人、再犯者は8万5032人で、再犯者率は48.6%となっている。再犯の要因は簡単に語ることもできないが、生活環境の立て直し、矯正教育に課題