三井造船社長の田中孝雄は、ドイツ・アウクスブルクで自身の原点に巡り合った。世界最大の舶用ディーゼルエンジンのライセンサー、マンディーゼル&ターボ(MDT)の本社会議室。そこにはディーゼルエンジン生みの親、ルドルフ・ディーゼルが約100年前に描いた直筆図面が飾られている。長らくエンジン畑を歩んだ田中は、思わぬ出会いに興奮を隠せなかった。国内の舶用ディーゼルエンジン市場で、50%超えのシェアを握る三井造船