育児中にスマホ片手でデイトレ! 高配当株への「全振り」で資産5億円を達成した2児の母の軌跡
元手240万円から資産5億円へ! 今回登場するちょる子さんは、育休中に“億り人”となったという話題の兼業投資家。その投資人生の始まりは、夫の退職と自身の妊娠という将来への不安からだった。
育児をしながら片手でスマホを操作する過酷なトレード生活、大損失で寝込むほどの絶望の日々、そして「1日100円生活」の極貧時代から培われた不屈のマインド。幾度ものキャリアチェンジを経ながら資産5億円を突破するまでの、波乱万丈な軌跡を追う。
240万が1584万円に大化け
ちょる子さんが株式投資を始めたのは、’11年、大学生のとき。ただし、父親が彼女名義で開設していた口座で、そこに養育費として貯めていた資金でオリエンタルランド株を買った、というものだ。
その後、投資とは無縁の生活を送っていたが、就職後、結婚してしばらくして夫が適応障害で退職することになったとき、自分が持っている資産を点検してみると、証券口座で保有していたオリエンタルランド株の評価額が、とんでもないことになっていた。240万円で購入したものが、約7年後の’18年には1584万円にまで増加していたのだ。
「このときに株式投資のすごさを実感したんです。夫は新しい会社で仕事に復帰できたものの、私は妊娠中で、育休に入ることが分かっていた。また、当時、消費税増税が決まって景気も悪くなりそうな雰囲気がありました。これからは、株式投資でお金を増やすことが必要になる、そう感じて本格的に投資の勉強を始めました」(ちょる子氏/以下同)
約半年で5千万! 全能感の罠
翌’19年、第1子の育休に入ったちょる子さんは、本格的に株式市場に参戦する。1銘柄に集中して、1日に何度も売買を繰り返すデイトレード(以下「デイトレ」)という手法は、見事にハマった。
赤ちゃんを抱え育児をしながら、片手でスマホを操作して、売買注文を出す。育休中のピーク時には、1ヵ月の取引回数が1000回を超えることもあり、資産は、わずか約半年で5000万円程度に膨らんだという。そうした銘柄でのトレードも、「コロナショック」などを乗り越えつつ、概ね順調に推移し、’21年1月には、ついに金融資産1億円を達成する。
「連日50万円ほどは勝ってたと思います。このときは、もう自分には投資の才能があるといった一種の“全能感”を覚えていましたね。この慢心が、その後の大失敗につながるんですが……」
1日で2400万円の損失と絶望
億り人となった後、さらなる利益の上積みを求めて、新興グロース株中心のトレードに重心を移していく。その目論見はある程度うまくいき、絶好調が続く。だが、そうしたハイテク値がさ新興株のひとつ、AI inside社の株に集中投資をしたところ、決算発表後の売りで株価は急落、1日で2400万円の損失を被ってしまう。
「何の根拠もない、完全にギャンブラーの発想になっていたと思います」
この大損失の発生後、丸1日寝込んだという。
「新興株のリスクを思い知らされた私は、再び大型株をメインにすることに決めました。それでも、株式市場の環境の変化についていけず、なかなか結果が出ない。’21年7月には6800万円まで資産を減らし、いったん、すべてのポジションを解消しました。株式市場から“退場”したわけです」
高配当株に全振りし5億円へ
しかし、この退場からの復帰は数週間後に訪れる。商船三井株の配当利回りが10%になったというニュースを知り、「配当金だけで働かずにすむ」と直感、全資産を商船三井株に投じたという。
そして、商船三井株は急騰し、資産は8800万円まで一気に回復。 商船三井株で勢いを取り戻したちょる子さんは、再び億り人を目指すことになる。ちょうどその頃、約2年半にわたる育休も終わろうとしていた(長女に続いて次女も出産していたため)。
その後は、子育てと仕事を両立するべく、社内異動、転職、独立とキャリアを変えていき、それにともない、トレードスタイルも進化させていった。資産も’22年には再び1億円に到達。以降、年を重ねるごとに2億、3億と節目を突破し、’26年には5億円を超えている。
▼ちょる子 大学で薬学を専攻し、卒業後は外資系製薬会社のMR(医薬情報担当者)に。その後、上場会社の広報などを経て、独立。現在は、企業のPRやIRといったPR支援事業を営みながら、株式投資をおこなう兼業投資家。2児の母。’19年から株式投資を本格化させ、’21年1月には早くも資産1億円を達成。その後、幾度かの浮き沈みを経験し、『酒田五法』を活用した大型株スイングトレードというスタイルを確立。’26年時点では資産5億円を突破。著書に『ママ投資家が育休中に1億貯めた株式投資』(ダイヤモンド社)。各種マネー誌、経済番組に出演。
取材・文:松岡賢治
マネーライター、ファイナンシャルプランナー。証券会社のマーケットアナリストを経て、1996年に独立。ビジネス誌や経済誌を中心に金融、資産運用の記事を執筆。著書に『ロボアドバイザー投資1年目の教科書』『豊富な図解でよくわかる! キャッシュレス決済で絶対得する本 』。■X(旧Twitter)→@1847mattsuu
