「ブルー・ライト・ヨコハマ」作詞家・橋本淳さんが死去。死因の「肝硬変」の初期症状と治療法を医師が解説

毎日の晩酌が肝臓に与える影響とは?メディカルドック監修医が解説します。

※この記事はMedical DOCにて『「肝臓がん」のリスクを高めるのは「毎日の晩酌」「週末の大量飲酒」どっち?医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
岡本 彩那(淀川キリスト教病院)

兵庫医科大学医学部医学科卒業後、沖縄県浦添総合病院にて2年間研修 / 兵庫医科大学救命センターで3年半三次救命に従事、近大病院消化器内科にて勤務 /その後、現在は淀川キリスト教病院消化器内科に勤務 / 専門は消化器内科胆膵分野

肝臓がんとは?

肝臓がんとは肝臓の中にできるがんです。肝臓がんのリスク、原因としてはウイルス感染やアルコールがあげられます。肝臓がんには肝臓の細胞からできる肝細胞癌や肝臓の消化液を流す管(胆管)からできる肝内胆管がん、ほかの臓器からの転移である転移性肝がんなどがありますが、その大半は肝細胞癌です。ここでは肝細胞癌について解説していきます。

毎日の晩酌が肝臓に与える影響

お酒が好きな人には「毎日の晩酌が楽しみ」という人も多いでしょう。一方でアルコールが肝臓に悪いということは一般的によく言われており、どのような影響が出てくるか心配という人もいるでしょう。ここではアルコールが及ぼす影響などについて解説します。

脂肪肝、慢性肝炎など

毎日飲酒を続けていると、お酒の影響で肝臓に脂肪がつき、「脂肪肝」の状態となります。この状態を放置し続けると炎症が起こり「慢性肝炎」、「肝硬変」となってきます。
肝硬変となった肝臓には肝臓がんができる可能性があります。また、その発生率は1年で1.9%~2.6%程度と報告されています。一方で、脂肪肝、慢性肝炎と異なり、肝硬変となった場合はお酒をやめたとしても元の肝臓に戻ることはありません。そのため、定期的に検査を行い、肝臓がんができていないかチェックすることが必要となってきます。

代謝物(アセトアルデヒド)による影響

アルコールの代謝物であるアセトアルデヒドは細胞のDNAを変異させることがあるということが報告されています。このDNAの変異により肝臓にがんができることがあります。
毎日アルコールを飲んでしまうと、この変異、損傷を修復する暇がなくなり徐々に蓄積され、発がんのリスクとなります。

酸化ストレス

アルコールを代謝する過程などにおいて、活性酸素が発生します。その活性酸素によって、細胞内のDNAが傷つけられることがあります。
毎日飲酒を行うと損傷を治す時間がなく、どんどんDNAの損傷が蓄積していきます。結果として、肝臓がんができるリスクとなってしまいます。

週末の大量飲酒が肝臓に与える影響

平日はアルコールを飲まないので週末にまとめて飲む、という人もいるでしょう。平日には一切飲酒をしないので、十分に肝臓が休んでいるから大丈夫、と思っていないでしょうか。
現在一度に大量飲酒をすることも肝臓に影響を与えると報告されてきています。

線維化

アルコールが肝臓の炎症を引き起こすということは前項で述べました。毎日の晩酌ではこの炎症がずっと、慢性的に続いていくことになります。一方で週末に大量の飲酒をする場合、肝臓に急激な炎症が起こってしまい、結果として瘢痕、線維化として残ってしまいます。この線維化が進んでしまうと、肝硬変となり、肝臓がん発症のリスクとなりえます。なお、この肝線維化のリスクは大量飲酒により3倍に高まってしまうと報告されています。

「肝臓がんとお酒の飲み方」についてよくある質問

ここまで肝臓がんとお酒の飲み方について紹介しました。ここでは「肝臓がんとお酒の飲み方」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

肝臓がんを発症してもお酒は飲めるのでしょうか?

岡本 彩那 医師

基本的に肝臓がんになったのであればお酒はやめましょう。肝臓がんになったとき、肝臓の機能はある程度低下しています。その状態でお酒をのむと、正常な部分で代謝しなければならず、余計に負担となります。
また、肝臓がんになった場合、いろいろと治療を行いますが、お酒で肝臓に負担を強いた状態は治療に影響が出ることがあります。その他、飲酒を続け、肝硬変になってしまう場合などは再度肝臓がんができてしまったり、治療が受けられないなどの状態にもなりかねないでしょう。

まとめ適切な飲み方と定期的な検査で肝臓がんを予防しましょう

肝臓は障害がおこる、がんができるなどでもなかなか症状として表れにくい「沈黙の臓器」と言われます。そのため、肝臓がんはなかなか気づかれず、気づいたときにはかなり進んでいたなどもあり得ます。
肝臓がんにならないように適切なお酒の楽しみ方をする、定期的に検査を受けて大丈夫かチェックするなどが重要となってきます。

「肝臓がん」と関連する病気

「肝臓がん」と関連する病気は4個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

消化器系

脂肪肝

MASLD

アルコール性肝障害肝硬変

上記のような疾患が挙げられます。健康診断で肝臓に異常を指摘された場合には早めに医療機関を受診することをお勧めします。

「肝臓がん」と関連する症状

「肝臓がん」と関連している、似ている症状は6個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

腹水

腹痛

意識障害

倦怠感

黄疸

肝機能障害

これらの症状は、肝臓がん以外に他の肝臓疾患の進行によっても生じることもあります。症状が気になる場合は、早めに医療機関を受診することが重要です。

参考文献

Alcohol consumption and liver cancer risk: a evaluation based on a systematic review of epidemiologic evidence among the Japanese population|Jpn J Clin Oncol

Alcohol and hepatocarcinogenesis|Clin Mol Hepatol