米アラバマ州の洞窟で昨年調査を行った研究チームが、これまで知られていなかった奇妙な姿の魚を発見した/Matthew L. Niemiller/Niemiller Nature LLC.

CNN)米アラバマ州ハンツビル近郊のボブキャット洞窟で昨年調査を行った研究チームが、科学界でこれまで知られていなかった奇妙な魚を発見した。研究者の1人からは、世界有数の希少な魚かもしれないとの見方が出ている。

新種には目がなく、背中は丸みを帯び、ひれに棘(とげ)があったほか、口周りの形が他の洞窟魚と異なっていた。色素は全くなく、半透明の皮膚の下に脳がのぞいている。

アラバマ州にあるオーバーン大学自然史博物館の魚類キュレーターで、今回の研究の共著者を務めたジョナサン・アームブラスター氏は、こうした透明な体色はさほど珍しくないと語る。

「外洋に生息する比較的小型の魚によく見られる特徴だ」「透明な水の中で気付かれにくいよう、体が透明になっていることが多い」(アームブラスター)

その姿はさながらSFのキャラクター。それにふさわしく、「悪魔の洞窟魚」の意味を込めて「デモゴルゴニクティス・アルカヌス」の学名が付けられた。ネットフリックスのシリーズ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」に登場する怪物「デモゴルゴン」に由来する名だ。

新研究の筆頭著者を務めたマシュー・ニーミラー氏は当初、この魚が以前に発見されたサザン・ケーブフィッシュの仲間なのではないかとの疑念をぬぐえなかった。

「私は長いこと、洞窟魚がいかに多様な生き物かを目の当たりにしてきた。見た目こそ異なるものの、遺伝的に非常によく似た生物にだまされた経験もある」「だが、この個体は一貫して異なる特徴を示していた」。アラバマ大学ハンツビル校の生物学准教授を務めるニーミラー氏はそう振り返る。

ニーミラー氏はこの魚の写真をアームブラスター氏や、論文共著者を務めたアラバマ大学のパメラ・ハート助教(生物学)に共有した。

標本をサザン・ケーブフィッシュと比較したところ、違いが見え始めたと、アームブラスター氏は振り返る。研究チームがCTスキャン(コンピュータ断層撮影)や遺伝子検査などを行った結果、奇妙な姿をしたこれらの生き物は骨格上、洞窟内の既知の生物とは異なることが判明した。

こうした結果を踏まえ、研究チームは新属新種として記載することに決めた。

悪魔の洞窟魚「デーモン・ケーブフィッシュ」の個体数は不明だが、世界有数の希少な魚かもしれないとニーミラー氏。テキストメッセージで「我々の知る限り、この種はひとつの場所でしか確認されていない。個体数は極めて少ないとみられる」と指摘した。

研究結果は学術誌「サイエンティフィック・リポーツ」に7月6日付で掲載された。