この手があった! 『フォルクスワーゲン・ゴルフ・カブリオ』を狙うなら、初代ではなく3代目【第5水曜日の男、遠藤イヅルの令和的ヤングタイマー列伝:第8回】
初代ゴルフ・カブリオは1980年に追加
こんにちは。クルマを主体としたイラストレーター兼ライターの遠藤イヅルです。年に数回だけやってくる『第5水曜日』に、『今見直したい』ヤングタイマー世代のクルマについて記す当連載。第8回は、3代目『フォルクスワーゲン・ゴルフ』に設定された『カブリオ』をお送りします。
【画像】狙うなら初代ではなく3代目!『フォルクスワーゲン・ゴルフ・カブリオ』と関連モデルたち 全10枚
SUV全盛の時代においても、市場の中心を担い続けるCセグメントハッチバック。そのベンチマークとして、1974年のデビュー以来8世代に渡り君臨するのが『フォルクスワーゲン・ゴルフ』です。

ビートル(タイプ1)カブリオ、ゴルフIカブリオと並んだゴルフIIIカブリオ。 フォルクスワーゲン
ゴルフより前のフォルクスワーゲンの屋台骨だったビートル (タイプ1)には、しっかりとした作りのカブリオレが設定されていたため、初代(いわゆるゴルフI)にもオープンモデルの『カブリオ』を1980年に追加。
その後も伝統的にカブリオ(もしくはカブリオレ)の販売が行われ、現在に至るまでゴルフI、ゴルフIII、ゴルフVIに存在しています。そう、オープンモデルは全世代に用意されていないのです。
では空白の世代はどうしていたかというと、ゴルフIからIIIの間では、ゴルフII登場後もゴルフIカブリオを14年間も販売していました。同じようにゴルフIIIも、ハッチバックがゴルフIVへと発展した際も、1998年から2002年までゴルフ・カブリオレとして継続販売を続けました。
その後ゴルフ・カブリオレは2002年に販売を終了。2005年には電動格納式ハードトップを備え、ゴルフ以上パサート未満の車格を得たニューモデル『イオス』を経て、2011年にゴルフVIで復活。しかし2012年にゴルフVIIが登場すると、継続販売されることなくラインナップからドロップしてしまいました。
大幅にブラッシュアップされたゴルフIIIカブリオ
と、前置きが長くなってしまいましたが、今回のお題であるゴルフIIIカブリオのお話です。
ベースであるゴルフIIIは本国で1991年に発表、日本には翌年から輸入が始まりました。質実剛健なゴルフIIのイメージを受け継ぎつつボディを大型化。ショルダーにハリがあるエクステリア、上質感を向上したインテリア、強化された安全装備によって全体を大きくブラッシュアップしていました。

樹脂製のフェンダーアーチは、ハッチバックのGTIやVR6でも採用されていました。 フォルクスワーゲン
1993年に追加されたゴルフIIIカブリオは、ロールバーや耐候性に優れた分厚いホロなどをゴルフIカブリオから継承。幌の開閉機構も、ゴルフIカブリオの後半モデルで採用された電動式を採用しました。
車内空間は拡大され、大人4人が不快なく着座できるようになりました。パワートレーンは、欧州では1.6、1.8、2Lのガソリンエンジンのほか、1.9Lディーゼルを搭載。
日本仕様には2L+4速ATが組み合わされ、前後フォグランプ、パワーウインドウ、集中ドアロック、エアコンなど十分な装備が与えられたほか、運転席/助手席エアバッグなどの安全装備も充実していました。
1995年当時の新車価格は348万円。同年販売のゴルフと比べると、最安値の3ドアCLiが207万円、中堅の5ドアGLiが264万円、スポーツモデルのGTI 16Vが310万円、狭角V6を積む旗艦モデルVR6が340万円でしたので、かなり高額なモデルだったことがわかります。
ゴルフIカブリオと比べるとリーズナブル
ゴルフIIIカブリオを取り上げたのは、内容が充実して魅力的であること、そして『今見直したいクルマ』だからなのは言うまでもありません。
そしてゴルフIカブリオと比較するとリーズナブルなのも、その理由です。クラシックなデザインで1990年代前半まで生産されていたゴルフIカブリオは人気が高く、価格も高騰。大手中古車検索サイトによると10万km以上走行した個体でも200万円〜300万円というプライスタグを掲げています。

ゴルフIIIのボディのまま、1998年にフロントをゴルフIV風に整形した『ゴルフIVルック』のカブリオ。 フォルクスワーゲン
一方のゴルフIIIは本稿執筆時点で、1.7万kmという低走行で約120万円の個体が1台販売されています。お買い得感がありますよね。ただしゴルフIIIは全体的に残存数が壊滅的。欲しくても選べない車種になりつつあります。
しかし、選択肢はもうひとつあります。前述したとおり、ゴルフIIIカブリオはベースモデルがゴルフIVにフルモデルチェンジした後も販売が続いたのですが、その際フロントをゴルフIVそっくりに整形。リアもゴルフIVに似せていました。
この『ゴルフIVルック』のゴルフIIIカブリオレも狙えるのです。と言いつつ、こちらの掲載台数もわずか3台。かなりのレアカーです(涙)。
ゴルフIIIはトラブルが多い傾向があり、専門店があるゴルフIIに比べると購入後も両手放しで乗れないモデルかもしれませんが、『この手があったか!』というクルマや、みんなが乗っていないクルマを探している人にこっそりとオススメしたいクルマです。
次回の『第5水曜日の男』は9月30日です。次回も『今見直したいクルマ』をお送りする予定です。どうぞご期待下さい。

