元鹿島のアルシンド氏。W杯における日本代表の戦いぶりについて、率直な想いを届けてくれた。写真:鈴木颯太朗

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 日本サッカーを誰よりもよく知るブラジル人レジェンドから、サムライブルーへ熱いメッセージが届いた。鹿島アントラーズで活躍し、Jリーグ黎明期を支えたアルシンド氏だ。

 北中米ワールドカップにおける日本代表の戦いを高く評価するレジェンドは、「世界トップ15の実力を持っている」「世界中が日本をリスペクトしている」と称える一方で、さらなる飛躍へ向けて克服すべき課題も指摘。その言葉には、日本サッカーへの深い愛情と期待が詰まっている。
 
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 ワールドカップでは、日本代表の戦いをずっと見ていた。本当によくやっていたと思う。強豪国が揃ったグループの中でも、自分たちのサッカーをしっかり貫き、多くの人を驚かせた。
 
 なかでも印象に残ったのはオランダ戦だ。あの試合を見て、日本は世界のどんな相手とも互角に戦えるチームになったと改めて感じたよ。
 
 一つだけ残念だったのは、遠藤がいなかったことだ。もし彼がピッチに立っていたら、中盤でもっと落ち着いてボールを動かせたと思うし、試合の流れも少し違っていたかもしれない。
 
  とにかく、日本は本当に良いチームだった。だからこそ、決勝トーナメントの初戦で敗退してしまったのは残念だった。
 
 ただ、ブラジルについては1つ誤解してほしくないことがある。以前、日本は親善試合でブラジルに勝った。もちろん、あの勝利は日本が勝ち取ったものだ。でも、親善試合とワールドカップはまったく別物だ。公式戦では選手の集中力も気迫もまるで違う。
 
 あの親善試合ではブラジルのディフェンダーにミスが続き、それが日本にとって大きな助けになった。そして、その後ブラジルはチームもメンバーも大きく変わった。だから、あの試合だけを基準にブラジルを判断すべきではなかったと思う。
 
 今回、対戦したブラジルは、大会を通して試合を重ねるごとに調子を上げ、完成度を高めていた。おそらく日本戦が、一番良い状態だったんじゃないかな。
 
 それでも勝負を分けたのは、最後の決勝ゴールだけだった。あの一発が決まらなければ試合は延長戦に入っていたし、その先は誰にも分からない。日本にも十分チャンスはあったはずだ。だから、あの敗戦を必要以上に悲観する必要はない。相手はブラジルであり、日本は堂々と戦っていた。恥ずかしい負けなんかじゃない。
 
 前半の日本は本当に素晴らしかった。ただ、後半は少し下がりすぎてしまった。なぜそういう判断になったのかは分からないけれど、自陣に引いたことでブラジルに勢いを与え、日本陣内で攻撃を受け続ける展開になってしまった。

 もしあそこで引かず、自分たちのサッカーを続けていたら――。本当にどうなっていたかは分からないね。

 日本には1つ乗り越えなければならない“壁”があると思っている。それは試合の終わらせ方だ。
 
 これは今回だけの話ではない。何年も前から、大事な試合になると終盤に失点し、積み上げてきたものを最後の数分で失ってしまう場面を何度も見てきた。
 
 代表だけではない。日本のクラブチームでも、勝負どころで同じような場面を目にすることがある。そこには少しメンタルの問題があるように感じている。
 
 サッカーは主審が試合終了の笛を吹くまで終わらない。特に今回のワールドカップはアディショナルタイムが非常に長く、その時間帯に勝敗が決まった試合は日本だけではなかった。

 だから最後まで冷静さを失わず、感情に流されずに戦うこと。それが日本がもう一段上のレベルへ進むために必要なことだと思う。
 
 ただ、それ以外の部分については本当に素晴らしかった。日本は世界中の人たちを魅了した。スピードがあり、技術も高く、見ていて楽しいサッカーをしていた。2018年からチームを率いている森保監督も、本当に良い仕事をしていたと思う。