三井住友FG・中島達社長は元ラガーマン(C)共同通信社

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 大相撲名古屋場所で、見慣れない懸賞旗が土俵を回る。三井住友銀行のマスコットキャラクター「ミドすけ」をあしらった緑のデザインで、「銀行が大相撲で懸賞旗を出すのは初めて」(関係者)と話題になっているという。

 この懸賞旗と呼応するように、同行のインスタグラムでは、「ミドすけ」による相撲に関する話題など、日常のつぶやきが発信されている。

 開幕2日目の13日には、「ミドすけだよ! 今日はお相撲に挑戦だ〜 頑張ったから、このあと『ひつまぶし』を食べようかな ちなみに、ボクがお相撲に挑戦した理由は分かるかな? ヒントは、今日食べたいものの名産地と、夕暮れ時…。分かった人は是非コメント欄で教えてね」と投稿。翌日には、「今日はパパすけと紙相撲で勝負だ〜 せっかくなら本物のお相撲をこれから見てみようかな」とつづっている。

 これらの投稿に対し、「え〜〜〜なんてかわいいお相撲さん♡」「みどちゃん、お相撲もとっても上手」「ひつまぶし、美味しいよね」といったコメントが多数寄せられている。

 大相撲に懸賞旗を出すことを発案したのは、「三井住友フィナンシャルグループ(持ち株会社)の中島達社長です」(関係者)という。中島氏は高校時代から大学までラグビー部で司令塔の「スタンドオフ」として活躍したスポーツマンだ。ラグビーと相撲はともに肉弾戦。礼を重んじることで通じる。

「中島氏は名古屋市出身で、地元の名門・旭丘高校卒だ。名古屋場所から懸賞旗を出すことになったことに思いもひとしおでしょう」(同関係者)

 大相撲の懸賞金は好調だ。昨年から毎場所のように最多を更新しており、5月の夏場所は3563本と史上最多となった。

 懸賞金は、企業・団体が希望する取組や応援する力士の取組に出す。1本7万円のうち、1万円はのし袋に入れられ、勝ち名乗りの際に土俵上で行司から力士に渡される。5万円は力士本人の口座に振り込まれ、残りの1万円は日本相撲協会に手数料として入る仕組みだ。

 以前は1本あたり3万円が取組後に渡されていたが、のし袋に入れる手間の簡略化や盗難防止のため、昨年夏場所から変更。土俵上で渡される額は1万円となり、懸賞金の束も少し薄く、軽くなった。

 懸賞金は、景気の今を映し出す「鏡」という側面もある。

 金融界も好景気に潤っており、その社会還元の一環も兼ねて、ここ数年、各行はスポーツ支援に力を入れている。三菱UFJフィナンシャル・グループは野球「侍ジャパン」のグローバルスポンサーほか、ジャパンラグビーリーグワンのプリンシパル・パートナーを務めている。また、三井住友フィナンシャルグループは、プロ野球日本シリーズの冠スポンサーやラグビー日本代表のオフィシャルパートナーを務める。みずほフィナンシャルグループは、日本サッカー協会のメジャーパートナーとして全カテゴリーの日本代表を支援している。

「3メガバンクは、金利のある世界に移行する中、年間1兆円を超える高収益を上げており、個人を中心としたリテール(個人向け金融)事業の強化を図っている。競技場の命名権獲得やスポーツ支援は、収益の社会還元とともに、知名度の向上策として有効とみている」(金融関係者)

 三井住友FGが着目した大相撲は、新たなブルーオーシャン(未開拓の市場)となるか。

(森岡英樹/経済ジャーナリスト)