福田さんが過ごした「独房」での一夜とは

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 観光目的でニュージーランドに向かうも入国拒否され、強制送還されてしまったセクシー女優が話題だ。福田ゆあさん(21)は2025年10月にグラビアアイドルから転身したセクシー女優だが、入国審査時に"売春目的”だと疑われ、長時間取り調べを受けて現地警察署で一晩を過ごした挙げ句、日本に送り返されたという。

【写真を見る】スウェット姿で拘束された福田さん。パスポートに押された「入国拒否」の大きなスタンプ

 福田さんが一連の顛末をX(旧Twitter)につづると、元2ちゃんねる管理人のひろゆきが「職種によって(中略)入国拒否されるのが現実です」などとコメントするなど、賛否両論が巻き起こった。

 福田さんは現地の警察署で、実際にどのような夜を過ごしたのか、また今後の旅行に影響はあるのか。ライターの河合桃子氏が本人に話を聞いた。【前後編の後編。前編から読む】

入った独房の「剥き出しの便器」

 空港の入国審査で足止めを食らい、6時間もの話し合いの末に警察署に連行されたセクシー女優の福田ゆあさん。星空鑑賞が目的の女性ひとり旅は、海外売春を疑われ警察署に連行される、なんとも言えない顛末となってしまった。

 福田さんの日本出発時の服装は、上下スウェットというラフなスタイル。乗り継ぎ便で約20時間にも及ぶフライト後に空港で6時間も取り調べを受け、警察署についた時はクタクタだったという。

「警察署についた後、どうしても着替えをしたかったので警察官に『下着だけでも変えたい』と言いました。女性警察官は最初はダメだと言っていましたが許してくれて、『後ろを向いているからその間に着替えるように』と言われました。そしてサンドウィッチと水のペットボトルをくれて。サンドウィッチはパサパサで味がまったくしませんでした」(福田さん、以下同)

 そのサンドウィッチを食べたのは独房の中だった。福田さんは「涙が出ました」と振り返る。

「私が何か容疑をかけられたとかではなく、単純に帰りのチケットの予約が取れるまでの身柄を確保しておくための措置とはいえ、なんで犯罪者みたいに牢屋に入れられないといけないんだろうって。独房には本来、荷物は持ち込めないみたいだけど、本を2冊だけ持ち込んだらダメかって聞きました。するとあっさり『オーケー!』って言われました」

 福田さんが旅のお供に持っていたのは、小説『星の王子さま』と、英国の女性社会学者が書いた自己啓発本『エロティック・キャピタル すべてが手に入る自分磨き』だった。

「独房は剥き出しの便器にペラペラの布団が敷かれたベッドが置かれた、4畳くらいの空間でした。なんとも言えない嫌な匂いもしました。『星の王子さま』では『ぼく』がサハラ砂漠で不時着するシーンで始まるけど、まさか私も留置場の独房に不時着する羽目になるとは……って思ってしまいました。

 人間にとって本当に大切なものってなんだろうって。『エロティック・キャピタル』も容姿だけじゃない教養とか社会性をいかに磨くかが大事なんだとか、独房内でする読書は普段よりもなんだか深みを感じました」

ひろゆき氏の指摘に対する「感想」

 なるべく読書に集中していたというが、独房ならではの怖い思いもしたようだ。

「収容されている他の方と会うことはありませんでしたが、どこからか男性の叫び声というか奇声というか『早く出せ!』みたいに叫んでる声が聞こえました。薄暗いし臭いしうるさいし、ふと周囲を見渡して暗い気持ちになって涙がポロポロと出てきたりと、感情が大きく揺さぶられました。

 独房では一睡もできなかったし、時間の感覚もわからなくなって、おかしくなりそうになりました」

 ただ一方で、冷静に今回の一件が今後の「ひとり旅」にどう影響するのかも考えていた。

「独房に入る前、ChatGPTにことの経緯を聞いてみたら『他国の入国も今後厳格になる可能性がある』という答えでした。私はこれまで7か国にひとり旅してて、今後の目標は30か国巡ることでした。もうそれが叶わないかもしれないと思うと、本当に落ち込みます」

 福田さんに改めて、海外売春の経験の有無などについて聞いた。

「私は本当に海外売春をしたことはないし、今後も絶対にしません。私は性を売りにしていますが、売春は命を売ることだと思っています。日本でも海外でも売春行為は捕まるリスクもありますし、海外では殺されてしまってもおかしくないです。自分で自分の身を守れないことには関わりたくありません」

 今回の騒動でX上では「入国拒否されることを見込んでの炎上目的だったのでは?」との声もあった。これについても聞くと「こんな身を削った炎上はさすがにしません」と笑った。また、ひろゆき氏などさまざまなインフルエンサーがこの騒動に対してコメントしたことをこう受け止めた。

「ひろゆきさんや細川バレンタインさんが『疑われても仕方がない』とコメントしましたけど、正直なところは『ごもっとも』と思います。他にも性産業に従事する人への誹謗中傷のコメントが多くきましたが、女性が誹謗中傷の的になりやすいのはもはや当たり前だと思うので、そこは何も思わないです」

 福田さんのパスポートにニュージーランドの入国スタンプが押されることはなく、代わりに赤字で入国拒否と書かれたスタンプが押された。さらに自身で購入した往復チケット約15万円はもちろん、あらかじめ予約していたバスやホテル代などのお金も戻らない。

ビザ審査に影響

 最後に、今回のような入国拒否が今後の福田さんのひとり旅にどう影響するのか? アメリカの入国拒否トラブルなどに詳しい弁護士法人イデア・パートナーズ法律事務所の上野潤氏に聞いた。

「仮にアメリカで入国拒否を受けると、その後ESTA(入国の事前審査)を利用することはできなくなります。そのため、再びアメリカへ渡航するには、大使館や領事館でビザを取得する必要があります。ビザが発給されれば、アメリカへ入国することは可能です。ただし、ビザ審査では過去の入国拒否歴も審査対象となるため、不利な事情として考慮されることになります。入国拒否となった理由によっては、ビザの取得が難しくなる場合もあります。他国への影響については、それぞれの国で入国制度や審査基準が異なりますので、一概にはお答えできません」

 また上野氏は、今回の福田さんの入国拒否トラブルについて「セクシー女優という職業だから入国できなかったわけではない」ことについて強く解説する。

「アメリカの場合ですが、『観光です』と言いながら、どこへ行き何をするのかがまったく決まっていない場合、『本当は別の目的があるのではないか』と疑われても不思議ではないのです。これまでアメリカで実際に入国拒否された事例で、『アメリカ人の恋人に会いに来た』『友人宅に泊まるのでホテルは予約していない』といった理由で入国を希望したものの、入国を拒否されることもありました。これは審査官から『そのままアメリカに居座るつもりではないか』『本当に短期の滞在で帰国するのか』という点が問題になります」

 上野弁護士は「日本も、水際対策という観点では、アメリカの入国審査に関する考え方は参考にすべき点もあるように思う」とも付け足す。

 福田さんのひとり旅の夢は叶えづらくなってしまったが、今後の人生についても前向きに考えているという。海外売春の取り締まりの強化に期待しつつも、個人旅行での入国審査は誰もが慎重になるべきなのだろう。

(了。前編から読む)

取材・文/河合桃子(かわい・ももこ)1977年、東京都生まれ。ライター。「週刊ポスト」「集英社オンライン」など、週刊誌媒体を中心に執筆。幅広く取材活動を行っており、特に性風俗にまつわるアングラな業界を長年取材している。初の著書『地面師連絡役カトウ』で第32回小学館ノンフィクション大賞を受賞。