18歳未満でも使える「子どもNISA」の創設、10年ごとの住所確認手続き廃止【令和8年度の新NISA改正ポイント】
令和6年から運用が開始され、幅広い世代や所得層に利用されている新NISA。これまで、新NISAのつみたて投資枠は「18歳以上」という年齢制限が設けられていました。しかし、令和8年に「こどもNISA」が新設されたことで、18歳未満でも利用できるようになりました。本記事では、今仲 清、坪多 晶子、畑中 孝介、島村 仁氏の著書『令和8年度 すぐわかるよくわかる税制改正のポイント』(TKC出版)より一部を抜粋・編集。 「こどもNISA」をはじめ、新NISA制度の改正ポイントについて解説します。
「こどもNISA」が新設!NISA制度はどう変わる?
■つみたて投資枠に18歳未満の居住者向けの「こどもNISA」を創設
■つみたて投資枠の対象となる指数に新たに2つの指数を追加
■投資の安定性を重視する観点から債券中心の投資信託商品を追加
■NISA口座の10年経過時(その後5年経過ごと)の所在地確認手続の簡素化
※措法9の8、9の9、37の14、措令25の13
新NISAの普及状況を振り返る
令和5年度税制改正により、令和6年から新NISAの運用が開始され、若年層を含めた幅広い世代や所得階層において利用が広がっています。
直近の利用状況を見ると、NISA口座数は2025年12月末で約2,826万口座(政府目標は2027年12月末までに3,400万口座)、NISA買付額は2025年12月末で累計約71兆円(政府目標は2027年12月末までに56兆円で、すでに達成)と、順調に普及しています。
[図表1]NISAの利用状況 出典:金融庁資料(注)2023年12月末以前の計数(「旧NISA 口座数」および「総買付額」)については、一般NISAとつみたてNISAの合計値
[図表2]NISA制度の概要 ※1 非課税保有期間の無期限化に伴い、つみたてNISAと同様、定期的に利用者の住所等を確認し、制度の適正な運用を担保。※2 利用者それぞれの非課税保有限度額については、金融機関から既存の認定クラウドを活用して提出された情報を国税庁において管理。※3 金融機関による「成長投資枠」を使った回転売買への勧誘行為に対し、金融庁が監督指針を改正し、法令に基づき監督およびモニタリングを実施。※4 高レバレッジ投資信託などの商品とは、投資信託の受益権等で、一定の目的以外でデリバティブ取引に係る権利に対する投資として運用を行うこととされているもの等をいう。
18歳未満も対象に!「こどもNISA」を創設
改正概要 成人後は通常のNISAへ自動移行
次世代の資産形成を促進し、長期・安定的な投資を通じて若者世代が進学や成人後のライフイベント等に伴う必要資金を備えられるよう、つみたて投資枠について、その年1月1日において18歳以上である者に限るとされていた対象年齢が撤廃され、年間60万円、非課税保有限度額600万円の「こどもNISA」が新たに創設されました。
こどもNISAは、18歳以降、自動的に成人向けNISAのつみたて投資枠に移行します。
[図表3]令和9年以降のNISA制度の概要 出典:金融庁「令和8(2026)年度税制改正について」(一部改変)※ 資金の使途が子のためのものであり、子が払出しに同意したことを示す書面とともに、親権者等(口座管理者)が申出書を金融機関に提出する。
「未成年者特定累積投資勘定」を新設
非課税口座の口座開設可能年齢の下限(その年1月1日において18歳以上である者に限ること)が撤廃され、こどもNISAとして「未成年者特定累積投資勘定」が新たに設けられました。
なお、非常時や子の成長に伴う必要不可欠な資金需要に備えられるよう、特定事由の下での払出しは可能となっています。
[図表4]未成年特定累積投資勘定の新規設定 ※非課税口座を開設した居住者等がその年3月31日において18歳である年。以下同じ。
配当金などの管理方法を新たに規定
未成年者特定累積投資勘定で管理される公募等株式投資信託について支払いを受ける配当等および受益権の譲渡の対価等は、非課税口座を開設した居住者等が、基準年の前年12月31日までは、特定課税未成年者口座で管理しなければならないこととされます。
[図表5]特定課税未成年者口座
ルール違反の払出しには20%課税
非課税口座および特定課税未成年者口座を開設した居住者等が、基準年の前年12月31日までに、これらの口座の公募等株式投資信託の受益権および金銭等を前述の取扱いに反して払い出した場合等には、当該払出しがあった日において公募等株式投資信託の受益権の譲渡または公募等株式投資信託の配当等の支払いがあったものとして、次の金額に対して20%(所得税15%、個人住民5%)の税率により源泉徴収(特別徴収)が行われます。

源泉徴収後は確定申告不要に
要件外の払出しにより源泉徴収された公募等株式投資信託の譲渡所得等の金額は、確定申告不要制度が適用できます。
金融商品取引業者等の報告書作成義務
要件外の払出しにより源泉徴収を行う金融商品取引業者等は、源泉徴収税について記載した報告書を作成し、払出しがあった日の属する月の翌月末日までに、居住者等に交付しなければなりません。
令和9年から適用 旧ジュニアNISAは別枠で継続
上記の改正は令和9年以後の各年に設けられるこどもNISAについて適用されます。
(参考)旧ジュニアNISA制度
旧ジュニアNISAの投資可能期間は令和5年12月末で終了し、非課税期間は令和9年12月31日まで、こどもNISAとは別枠で存続します。旧ジュニアNISAは、18歳になるまで非課税措置が継続されます。

今仲 清
株式会社経営サポートシステムズ代表取締役
坪多 晶⼦
税理士法人トータルマネジメントブレーン主宰
畑中 孝介
株式会社ビジネス・ブレイン代表取締役
島村 仁
税理士法人むさしセントラル代表社員

