HRダービー初Vのウォーカー「いずれ経験する」“完全アウェー”で逆転V 子供たちの「ロールモデルに」
大リーグのオールスター戦前日恒例となっている「本塁打競争(ホームランダービー)」が13日(日本時間14日)、フィリーズの本拠、米ペンシルバニア州フィラデルフィアのシチズンズ・バンク・パークで行われ、カージナルスのジョーダン・ウォーカー外野手(24)が初出場で初優勝。球団史上初の快挙を達成した。
優勝会見に臨んだウォーカーは「まだ言葉では表現できません。声もほとんど出ないくらいです(笑)」と現在の心境を語り「本当にたくさんスイングしましたし、プレッシャーもありました。でも毎ラウンド『とにかく楽しもう』と思っていました」と楽しむことを第一に考え、打席に立ったと振り返った。
そして「子どもの頃から一番好きだったのは友達とホームラン競争をすることでしたからね。競争は好きですし、今日は思い切り楽しめました」と心から楽しんだ1日と満足そうに笑った。
フィラデルフィアでの開催とあり、決勝の相手シュワバーは地元ファンから熱狂的な声援を受けた一方で、自身は大ブーイングを浴び、“完全アウェー”の中、スイングを続け「フィリーズのファンは手厳しいことで有名(笑)。それだけ地元の選手を愛しているということですよね」と理解を示し「シュワバーやハーパーへの歓声は本当にすごかった。でもそれは彼らの街であり、彼らのファンですから。当然のことだと思います」と受け止めた。
その上で「ワールドシリーズで優勝したいと思っていますし、その時もこういう雰囲気になるでしょう。だから、いずれ経験することだと思っています」と世界一を争う舞台のようなアウェーを経験できたとうなずいた。
決勝は15スイングで柵越え本数を競い、先攻のシュワバーが11本を記録。ウォーカーは12スイング目までで6発とやや厳しいように思えた。ところが、13スイング目で7発目を放つと、14スイング目で8発目、最後の15スイング目で9発目をマーク。最後のスイングが本塁打なら、本塁打が続く限りスイングを続けることができるルールのため、16スイング目で10発、17スイング目で11発を放ち、ついにシュワバーに並んだ。
そして、18スイング目も左中間スタンドに豪快弾を放り込み、最後は6連発締めでミラクル逆転勝利を果たした。最後の6スイングについて「逆にプレッシャーのおかげで力みすぎずに済みました」と明かし「強く振りすぎると空振りしてしまいますから、とにかく落ち着いて振ろうと思っていました」と意外と冷静だったと語った。
また、本塁打競争は「マーベルが大好きなので」とアイアンマンがデザインされた特注のバットを使用。お気に入りのキャラの支えもあって、見事初優勝を果たした。
カージナルスの選手が本塁打競争で優勝するのは史上初めてで、プホルスやマグワイアといったレジェンドも成し遂げられなかった快挙を達成。「もちろん特別なこと」と胸を張りつつも「でも彼らはシーズンを通して何年も素晴らしい成績を残してきました。僕はまだまだ学ぶことがたくさんありますし、彼らのような偉大な選手になるためには、もっと努力しなければいけません。キャリアを終える頃には、そんな選手になれていたらと思います」と控えめに喜んだ。
さらに、「僕は黒人の子どもたちのロールモデルになりたいと思っています。もっと多くの黒人の子どもたちに野球を選んでほしい。今はバスケットボールやアメリカンフットボールに進む子が多いですが、野球という道もあることを知ってほしいです」と黒人の野球人口が増えることも願い、さらなる活躍を誓った。
ウォーカーは20年のMLBドラフト1巡目(全体21位)でカージナルスに入団。1メートル98、113キロの恵まれた体格を武器に、球団のレジェンド、アルバート・プホルスと比較されるほどの超有望株で、メジャーデビューした23年に16本塁打を記録した。以降2年間は計11本塁打にとどまっていたが、今季ついに覚醒。前半戦だけでキャリアハイの22本塁打を記録しており、後半戦の活躍も期待される。

