ロッキーズ戦に先発登板したドジャース・佐々木朗希投手 
写真/産経新聞社

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 現地8日(日本時間9日)に行われたドジャース対ロッキーズは、ドジャースが4−3で勝利。1番・指名打者で出場した大谷翔平が4打数無安打に終わる中、先発した佐々木朗希は6回4安打3失点とクオリティースタートを記録し、チームの3連戦勝ち越しに貢献した。
◆3点リードを失っても崩れず示した粘り強さ

 6回3失点という結果だけを見れば、快投と呼ぶには物足りない。3点の援護を受けながら早々に追いつかれ、ドジャースが楽に勝てたはずの試合を、自ら難しくした面もあった。

 立ち上がりは申し分なかった。初回に投じた6球にボール球はなく、いいテンポで三者凡退に抑えた。その流れを受けたドジャース打線がすかさず3点を先制する理想的な形で初回の攻防を終えた。

 ところが、試合はすぐに振り出しに戻る。佐々木は2回に2本のソロ本塁打を浴びると、3回には四球をきっかけに犠飛を許し、3点のリードをわずか2イニングで吐き出した。

 この日の佐々木は、そこで崩れなかった。4回には無死二、三塁という絶体絶命のピンチを背負ったが、2者連続三振と右飛で無失点。5〜6回は走者を出さず、最後は9人の打者を連続で退けた。

 ロバーツ監督も4回の投球について「戦うか逃げるかの極限のモードに入っていた」と評価。追いつかれた後に踏みとどまれたことが、この日の佐々木にとって最大の収穫だったのかもしれない。

◆「2被弾以上で5戦5勝」という不思議なデータ

 ここで、実に奇妙な数字が浮かび上がる。

 今季、佐々木が2本以上の本塁打を浴びた試合で、ドジャースは5戦5勝。反対に、被本塁打が1本だけだった試合は7戦7敗で、被弾なしの試合では3勝1敗となっている。

 もちろん、「2本以上打たれれば勝てる」という話ではない。被本塁打ゼロが投手にとっての理想形であり、この日も2回の2発がなければ、ドジャースはもっと楽に試合を進められただろう。

 そもそも、チームの勝敗は先発投手だけで決まらない。佐々木が大量失点した後に打線が逆転した試合も含まれており、「2被弾以上」と「5戦5勝」に直接的な因果関係があるとは言いにくい。

◆勝敗を分けるカギは「ストライク率」

 とはいえ、この摩訶不思議なデータから見えてくるものもある。佐々木が本塁打を浴びた試合の中には、四球を恐れてストライクゾーンから逃げるのではなく、自分の球で打者に向かっていった登板も少なくない。

 その傾向を表しているのが、試合ごとのストライク率である。

 ロッキーズ戦では78球中56球がストライクで、ストライク率は71.8%に上った。今季、佐々木のストライク率が70%以上だった試合で、ドジャースは4戦4勝となっている。60%台では4勝3敗、60%未満では5戦全敗と、わかりやすい傾向が残っている。

 この数字だけで勝敗を佐々木一人に結びつけることはできないが、ストライクを先行させられた日は投球のテンポが良くなり、余計な走者を背負う場面も減る。少なくとも、ゾーン内で勝負できているかどうかは、試合を作るうえで重要な指標になっているのではないだろうか。

 この日の初回は、その象徴だった。6球すべてストライクで相手の攻撃を終わらせると、直後に味方が3点を先制した。先発投手のテンポだけで得点が生まれるわけではないが、野手が守備から攻撃へ気持ち良く移れる流れは、決して無視できない。

◆「被弾を恐れず攻める姿勢」が今後の課題に

 一方、佐々木が苦しむ日のパターンもわかりやすい。ボールが先行して走者をため、カウントを取りにいった球を痛打される。どれだけ球威があっても、四球で自ら球数を増やせば、長いイニングを任されるのは難しくなる。

 ロッキーズ戦の2被弾は、間違いなく修正すべき課題である。それでも、全体ではストライクを先行させ、四球は1つだけ。3点差を追いつかれた直後のピンチをしのぎ、6回まで投げ切った点には前向きな変化が見えた。