@AUTOCAR

写真拡大 (全4枚)

英国市場では前年度13%増しで売れるルノー

ルノーの新CEO、ファブリス・カンボリーブ氏は、ツアーガイドとしての才能もお持ちらしい。発売されたばかりのルノー・トゥインゴ E-テックを運転する彼は、パリの東部と西部の違いを興味深く比較しながら、お気に入りの場所を紹介してくれる。

【画像】ルノー:ベスト・マニュファクチャー賞 話題の4と5にトゥインゴ HVのルーテシアも 全132枚

観光目的ではない筆者にも素晴らしい体験ながら、今日は話題を自動車関連へ戻す必要がある。近年のルノーの躍進は凄まじい。5 E-テックと4 E-テックに続き、2026年にはトゥインゴ E-テックも登場した。


ルノー・トゥインゴ E-テック・エレクトリック(欧州仕様)

英国市場でもルノーは好調に売れており、2025年の販売数は、2024年比で13%増しの6万8000台。その内、29%はバッテリーEVが占めている。2026年も、今のところ前年比7%増で推移しているそうだ。

ゼロエミッション化の要件を上回るペースで、ルノーはEVを販売している。中国勢の攻勢へ多くの既存メーカーが苦慮する中で、同社はハイブリッドとEVの開発へ注力し、訴求力あるモデルを次々に投入している。

成功は多くの要素が積み重なった結果

この好ましい流れを受けて、2026年のベスト・マニュファクチャー賞に選ばれたのがルノー。そこで今回は、小さな最新EVでパリを散策しながら、カンボリーブ氏へインタビューさせていただいている。

パリ南西部、ビヤンクールへ位置するルノー本社を出発し、セーヌ川沿いにエッフェル塔方面へ向かう。トゥインゴの車窓から見える古い石垣は、フランス南西部、バスク地方に由来するものらしい。この道は、普段の通勤路なのだとか。


ルノー・トゥインゴ E-テックを運転するルノーの新CEO、ファブリス・カンボリーブ氏

ひと呼吸おいて、ルノー成功の理由を彼へ尋ねてみる。「多くの要素が積み重なった結果です。成功するには、多くの条件を満たす必要があります」

前ルノー・グループCEO、ルカ・デ・メオ氏が掲げた「ルノーリューション」の流れを汲み、現フランソワ・プロヴォストCEOによる戦略下で進められる計画に、話題は及ぶ。特定の理由があったわけではないと、彼は考えている。

現在注力するのはレンジエクステンダー

カンボリーブ氏が続ける。「電動化を進めつつ、2本の脚でバランスを取り、一方へ偏らないこと。ハイブリッドとバッテリーEV、両方への投資が結果に繋がったといえます」

規模の大きくないルノーにとって、多様な技術を追求しなかったことが、プラスに働いた。「すべてを手に入れようとするより、そう考えない方が楽な場合もあります」


ルノー5 E-テック・エレクトリック(欧州仕様)

彼はまた、アプローチの転換も進めた。メガーヌとキャプチャーからの、プラグイン・ハイブリッド廃止はその1つだ。数年前、その技術から距離を置くことはリスキーに思われたが、現実的には違ったようだ。

現在のルノーが注力するのは、レンジエクステンダー。駆動用モーターへ電気を供給する、発電用エンジンだ。「時には、少し賭けに出る必要もあります。自動車業界は、即興的には進みません。あらゆる決断に、数10億ユーロという予算が投入されますから」

優れた製品でも営業マンが悪ければ意味がない

新モデル開発に重点を置きつつ、並行して販売戦略を一新した決断も、成功要因だったと振り返る。「優れた製品があっても、営業マンが悪ければ意味がありません。営業マンが優秀でも、製品が駄目なら同じ。重要なのは、同時に両方を改めることです」

「ルカ・デ・メオさんは、製品価値を高めること以外、市場シェアの拡大を強くは求めませんでした。わたし達は、品質と販売を高いレベルで維持する能力を備えています」


ルノー4 E-テック・コンフォートレンジ・アイコニック(英国仕様)

そんな改革の中で、トゥインゴ E-テックは生まれた。チャイナスピードと呼ばれるような、2年間の開発期間で誕生した小さなEVは、2万ポンド以下という低価格にも話題が集まっている。しかし、仕上がりが優れなければ、結果には結びつかない。

果たして、技術的にも意匠的にも、トゥインゴ E-テックは素晴らしい。低予算で量産されることを、感じさせないほど。

この続きは、ルノー:ベスト・マニュファクチャー賞(2)にて。