国際社会に日本の「理解者」増やせ…聖徳太子の「哲学」・アニメ作品に通底の「思想」など新興・途上国に発信
外務省は、日本の哲学や思想を海外に発信し、外交に生かす取り組みを始める。
今年度中に哲学を解説した冊子を作成し、講師の海外派遣を目指す。国際社会で「知日派」を増やし、日本の主張が受け入れられやすい土壌作りにつなげる狙いがある。
日本文化を発信する独立行政法人「国際交流基金」が事業を担う。研究者を海外に派遣して外国政府の官僚や外交官に講義したり、その国の日本研究者と交流したりすることを検討する。派遣先は、東南アジアやインド、アフリカなど新興・途上国「グローバル・サウス」を想定している。
日本哲学は、西洋哲学と伝統的な仏教や神道などの東洋思想が融合し、対話を重んじるのが特徴とされる。互いを思いやる聖徳太子の「和をもって貴しとなす」という考え方や、人間は他者との「間柄」があって初めて存在できるという和辻哲郎(1889〜1960年)の見方などがある。
同省は「米国や中国など大国に価値観を押しつけられてきた新興・途上国にとって、調和を図る日本哲学は受け入れやすい」と説明する。海外で人気を集める日本の映像やアニメ作品に通底する自然信仰などの思想も「外交ツール」として活用できると見込む。
手始めに、日本近世の儒学者を研究する米国の大学教授を招待し、7月下旬に東京都内で講演してもらう。今後も海外の研究者による講演や日本の研究者と意見を交わす機会を設け、海外への講師派遣や解説冊子作りに生かしたい考えだ。

