アメリカ代表を指揮するポチェッティーノ photo/Getty Images

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2日に2026W杯ベスト32でボスニア・ヘルツェゴビナ代表と対戦したホスト国のアメリカ代表は、退場者を出すアクシデントがありながらも2-0で勝利を収めた。

見事だったのはアメリカ代表監督マウリシオ・ポチェッティーノの手腕だ。1-0で迎えた64分にFWフォラリン・バログンが一発レッドをもらってしまい、残りの時間を10人で戦うことに。しかしポチェッティーノは単なる守備固めには動かず、FW陣をベンチへ下げることをしなかった。

結果的にはその姿勢が追加点に結びつき、82分にMFマリク・ティルマンがフリーキックからネットを揺らした。ティルマン、クリスティアン・プリシッチら攻撃的な選手をベンチへ下げなかったポチェッティーノの積極性は見事と言うしかない。

これこそアメリカサッカー界が望んでいたものなのかもしれない。英『Daily Mail』がポチェッティーノ就任までの軌跡を振り返っているが、このポチェッティーノ招聘にはアメリカの実業家たちの行動が大きく影響している。

アメリカコパ・アメリカ2024で惨敗し、当時の代表監督グレッグ・バーホルターの解任を決断。その後任候補にはユルゲン・クロップの名前もあったが、実現せず。そもそもアメリカサッカー連盟にはビッグネームを雇うだけの資金力がなく、選択肢が限られていたのだ。

そこで手を挙げたのがヘッジファンド・シタデルの創業者でもある実業家のケネス・グリフィン氏、そのグリフィン氏が声をかけたダイアメーター・キャピタル・パートナーズの共同創業者、スコット・グッドウィン氏、経営者で元ゴールドマン・サックスのトレーダーであるショーン・フィーニー氏らだ。

グッドウィン氏はアメリカサッカー連盟に大物監督を招聘する資金がないと聞き、「じゃあその差額を私たちで負担しようか?という話になった」と当時を振り返っている。

「これはアメリカサッカー界の未来を変えるものになると思った。自国開催のW杯で競争力のある代表チームを送り出すチャンスであり、代表チームが勝利を収めることで影響は波及し、アメリカサッカーのあらゆるところに良い影響があるだろうと。我々はサッカーという贈り物を多くの子どもたちに届けたかったのだ」

ポチェッティーノのチームスタッフを雇うには2000万ドルほどが必要だったそうだが、この一部をグッドウィン氏らもサポートしたようだ。

今回のボスニア・ヘルツェゴビナ戦での采配は、同氏らが期待していたものだったのではないか。ベスト16ではベルギー代表との対戦だが、アメリカはどこまで勝ち進めるのか。

グッドウィン氏は「アメリカは女子サッカーが強い。W杯でも、五輪でもタイトルを手にしている。男子でも同じことを成し遂げるべきだ。今年だろうと、2030年だろうと、2034年だろうと。必ず実現するだろう」と語っていて、アメリカの本気度が窺える。