確かな積み上げも 冨安の葛藤「前進しているのか。結局負け方も一緒」 次の4年は個の進化が鍵に【日本代表の舞台裏とこれから3】
日本代表のW杯北中米3カ国大会が幕を閉じた。前回カタール大会を16強で終え、続投となった森保一監督(57)は目標をW杯優勝と公言し、第2次政権を進めてきた。親善試合でのW杯優勝国連破に続き、本大会を迎えても1次リーグを1勝2分けで危なげなく突破。しかし高まる期待は「王国」ブラジルによって、打ち砕かれた。サムライブルーの舞台裏、そして今後について3回連載で迫る。
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1次リーグは1勝2分け(7得点)で2位突破。得点数は、これまで大会を通じて最多だった2018年ロシア大会(4試合6得点)を1次リーグの3試合だけで超えるなど、過去の大会と比べても地力の強さがうかがえた。長友は「森保さんの体制で8年間積み上げてきた戦術の落とし込みが、混乱させない部分につながっている」と分析。初の2期連続政権によるメリットは確実にあった。
だが、結果はくじ運の悪さがあったとはいえ、22年カタール大会に続き決勝トーナメント1回戦で敗退。最高の景色どころか、新しい景色を見ることもかなわなかった。2大会連続出場の冨安は敗退から一夜明けて「人数がいるけど、失点するということが毎度のことなので。前進しているのか。結局負け方も一緒で、改めて考えなければいけない」と胸中を明かす。
森保ジャパンの戦術は「いい守備」がベースにある。相手の強力なサイドアタッカーには2人掛かりの組織的な守りで対応してきた。だが、ブラジル戦では逆に、数的優位を図ることで生まれる穴を途中から使われ、押し込まれ続けた。決壊は時間の問題だった。
冨安は「もちろん否定しているわけではない」と前置きした上で「悪く言うと、数で対処しなきゃいけないチームはそのレベル。世界のトップトップのクラブとか国を見ていると、そんなことはない」と語る。「日本サッカーは味方を助ける動きだとか…もちろん本当にいい面だと思うし、そこがポジティブに働く部分の方が多いけど、それが果たして将来的にいいものなのか」と葛藤する。
強力な個をそろえる世界最高峰を前に、組織で挑むだけでは届かない現実も突きつけられた。「ベストなのはミックスすること」。冨安は日本の武器である組織力を認めた上で、その土台に世界で勝負できる個を積み上げる必要性を説く。森保ジャパンが築いた8年間の財産を生かしながら、次の4年間は「個」の進化が、日本サッカーを新しい景色へ導く鍵になる。(デイリースポーツ・松田和城)

