国会の60日延長説も急浮上!高市総理を元気づけた「支持率好転のカラクリ」と経済財政諮問会議で配られた資料の中身

写真拡大 (全2枚)

高市早苗政権は2040年度までに官民あわせて370兆円の投資を行う戦略を発表した。債務が増加しても、経済成長によってそれ以上にGDPが伸びれば財政は悪化しないというシナリオを描く。高市政権は「イケイケドンドン」の強気姿勢を崩さない。

前編記事『絵に描いた餅か、成長の実現か…「イケイケドンドン!」の高市政権が進める「官民370兆円投資」の強気すぎる改革路線』より続く。

強気の根拠は世論調査

では、高市氏の強気の根拠はいったい那辺にあるのか。明らかに直近の読売新聞の世論調査が影響を与えている(その直後の日経新聞・テレビ東京合同調査も)。

「読売」調査(6月19〜21日実施)の内閣支持率は前回比5P増の69%、「日経」・テレ東合同調査(26〜28日)が前回比2P増の68%と、ともに予想外の高支持率である。

報道各社の調査では過半で高市内閣支持率が下落傾向にあり、その殆どが60%を大きく割り込んでいるのに、両社調査は突出した上昇トレンドなのだ。高市政権(首相)が元気付けられたのは疑いの余地がない。

両社の世論調査が実施されたタイミングの中間点に、先の経済財政諮問会議・日本成長戦略会議合同会議が開催された。「たられば」の話は聞きたくないと言わないでいただきたい。

7月中旬までに高市政権で初めての策定となる「経済財政運営と改革の基本方針2026(骨太の方針)」を念頭に、官邸サイドも両メディア側もともに同会議開催と世論調査実施をぶつけたのだとしたら、上出来のシナリオである。誰の手によるものかは措いて、論考を進める。

円安・株高の影響

6月30日夕、再び官邸で経済財政諮問会議が開かれた。そして出席者に「【資料1】経済財政運営と改革の基本方針2026(原案)」(A4版38枚)が配布された。筆者の元にも同夜遅く届いた。

同方針〈第3章 責任ある積極財政に基づく「中長期経済財政計画」の(1.)「強い経済」の構築と「財政の持続可能性」の実現〉に、次のような記述がある。

「こうした官民投資に加えて、研究開発投資や生産資源配分の効率化等、『成長戦略』の効果が十分に発現した場合には、2040年度には、国内民間設備投資額は年間230兆円、GDPは1100兆円に迫る経済成長が実現できること、また、一定の追加的な財政支出の下で、債務残高対GDP比が、概ね安定的に低下する姿となり、『経済成長』と『財政の持続可能性』の双方が実現できるとの見通しが示された」

上述の表現を「たられば」と言うつもりは毛頭ないが、直ぐには「ハイ、そうですか」と頷けない。なぜか。やはり日経平均株価70000円超と対ドル円レート162円25〜26銭(6月30日夕方5時時点)の円安の現状から、さすがの高市氏も、為替市場における信認確保の重大さを認識したに違いない。

国会会期60日延長も

同原案にある財政目標で、GDPに対する債務残高の比率の引き下げを「核心的要件」と位置付けている。中国にとっての台湾統一が「核心的利益」であるのと同じとまで言わない。それでも高市氏は市場の反応を警戒するだけでなく、軽視すべきではないと深く自覚している。

では、高市政権の今後の政権・国会運営に問題はないのか。今特別国会期末7月17日に閉会し、高市首相は月末にも内閣改造・自民党役員人事を断行して、求心力回復を実現するのか。

答えは、ノーである。物事はそう簡単に思い通りに上手くいかない。これが、永田町の通り相場である。

先週末の土曜日になって、永田町関係者の一部で今国会の会期60日延長説が急浮上した。野党の審議拒否による国会不正常化がその理由に挙がる。当分の間、首相はまさに休む暇もない情勢にあるようだ。

同じ著者の記事をあわせて読む。『重要法案すべてを会期延長なしで押し切る? 高市総理が求心力を取り戻すための「内閣改造」のタイミング』

【はじめから読む】絵に描いた餅か、成長の実現か…「イケイケドンドン!」の高市政権が進める「官民370兆円投資」の強気すぎる改革路線