ガブリエルに声をかけられる塩貝健人(カメラ・今成 良輔)

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◆サッカー北中米W杯▽決勝トーナメント1回戦 ブラジル2―1日本(29日、ヒューストン競技場)

 試合後のピッチには、世界の厳しさが待っていた。FIFAランク18位の日本は同6位のブラジルに1−2で惜敗。3大会連続の16強入りを逃した一戦の後、出場機会のなかったFW塩貝健人(ウォルフスブルク)は、ブラジル代表の一部選手から“挑発”されるような場面に直面したという。

 「ああいう風に伝わってしまった以上仕方ない。僕は試合に出られていなくて挑発するのは当たり前だと思う」

 事の発端は27日の取材対応だった。ブラジルの印象について「昔は強かったけど、今はどうなんですかね」と語り、日本戦で9試合5得点の実績を持つネイマールに対しても「それは昔のネイマールじゃないですか。今は大丈夫だと思います。今の(日本の)センターバック陣も、すごくいい選手がそろっているので」とコメント。この発言がブラジル国内の各メディアに一斉に報じられ、大きな波紋を呼んでいた。

 しかし、塩貝に王国を侮辱する意図など一切なかった。試合後、若きストライカーはその真意と言葉の裏にあるリスペクトを説明した。

 「ブラジルが弱いというのを言いたかったわけではない。ネイマールが点を取ったのは前の話で今の話ではない(と事実を伝えた)。でもそういう風に伝わってしまったのは仕方ない」

 言葉足らずだった点を受け止めつつも、決してブラジルを軽視したわけではなく、現在の日本代表のディフェンス陣への強い信頼、そして「今のブラジル」と対等に戦えるという純粋な自信の裏返しでもあった。

 だからこそ、ピッチに立てなかった悔しさが身に染みる。「出番がないのに負けたのは悔しいが、ベストの選手が出た中で僕がいなかっただけ」。慶大を休学して渡欧し、今大会のサプライズ選出となった21歳は、世界の壁とメディアの洗礼を同時に味わう格好となった。

 「成長して帰ってきたい」

 ブラジルという巨大な存在と対峙し、その熱量を肌で知ったからこそ、視線はすでに先を見据えている。この経験を糧に、若き大砲は4年後の雪辱を固く誓った。