TeNYテレビ新潟

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特集です。中学校などの教育現場ではなり手不足が課題となっています。その背景にあるのは教員の長時間労働です。新人教員の1日を取材すると、働き方改革が進む一方で、時間外労働が避けられないという現実も見えてきました。

◆新たに1人の教員が教壇に

桜が咲き誇る出会いの季節。
上越市の城東中学校です。1人の教員が新たに教壇に立ちました。

【遠藤瞭汰教諭】
「4組の担任になりました遠藤瞭汰です。よろしくお願いします」

2年4組の担任遠藤瞭汰さん(24)。この春、大学院を修了し憧れの仕事につきました。

【遠藤瞭汰教諭】
「めっちゃ緊張していると思うけどそれ以上に緊張しているのは僕です。誰一人まだ知らないのですごく緊張しているので」

夢や希望を抱き教員として踏み出した一歩。

しかし、長時間労働など働き方が課題となる現実も。学校現場の今にカメラを向けました。

◆教員の定時は午前8時5分から午後4時35分まで

午前7時半過ぎ……遠藤先生が出勤してきました。

【遠藤瞭汰教諭】
「きょうはしっかり段取りをつけてスムーズにできるようにしたいと思います」

城東中学校の教員の定時は午前8時5分から午後4時35分まで。
朝の職員会議に始まり放課後の部活動まで予定がびっしり。授業の合間の時間は、わずか10分です。

◆毎日が試行錯誤の新人教員

2年生と3年生の理科を担当する遠藤先生。

【遠藤瞭汰教諭】
「前回化学反応式のポイントやりましたけど覚えていますか?水を分解したら何が出てくる?」

【生徒】
「水素と酸素」

一人一人に目を配りつまづいている箇所がないか寄り添います。ただ、生徒により理解度の差がある中学での授業の進め方に苦戦していました。

1時間目の授業を終えると研修の時間。週に一度ベテランの教師から授業のフィードバックをもらい指導に役立てます。

【山田稔教諭】
「残念ながら全体ではなく発言する一部の生徒との対話になってしまい」

どうしたら生徒にとって分かりやすい授業ができるのか。クラスをうまくまとめられるのか。
毎日が試行錯誤の連続です。

◆子どもたちの成長を見守りたいと教員の道へ

この道を目指したのは大学時代。学童でのボランティアの経験を通じて間近で子どもたちの成長を感じることのできる仕事に魅力を感じ教員を志望しました。

【遠藤瞭汰先生】
「子どもたちと毎日過ごしていく中で同じ日は二度とない。毎日違うし毎日新鮮できょうどんなこと起きるのかな とワクワク感があるのですごく楽しいです」

その後、3時間目は3年生の理科の授業を担当。

4時間目は翌日の授業の準備をする予定でしたが、体調不良になった生徒が。ケアをするのも先生の仕事です。

◆給食の時間も生徒を気にかけ

給食の時間も……。

【遠藤瞭汰教諭】
「野菜足りないから協力して!」

食事中も生徒を気にかけます。ようやく落ち着き食事をとることができたのは生徒がおかわりを終えた後でした。

【クラスの生徒】
「年が近いから話しやすいし分からないところも聞きやすいです」
「授業の時楽しめるようにやってくれたりする」

◆およそ3人に1人の中学校教員が月45時間以上の残業

多くの教員が子どもを導く仕事に誇りを持ち教壇に立つ一方課題も抱えています。

県によると県内の公立中学校の教職員のうち昨年度国が定める残業時間の上限・月45時間を超えた人は33.4%に上りました。「過労死ライン」とされる月80時間以上の残業をした人も3.9%いました。

中学校・高校の教員採用試験の受験者数は減少傾向にあり、昨年度の中学校の教員の受験倍率は近年で最も低い1.7倍でした。

◆県は教員の業務の効率化を進める

こうした事態に県の教育委員会は……

【義務教育課 川村尚史課長】
「教員の業務は授業だけではなく て当然生徒指導だったり多岐にわたっていて、それが長時間の労働に繋がってしまっている。いわゆる教員はブラックだというようなイメー ジが広がってしまったのがまず 一つある」

県では教員の長時間労働の是正に向けアプリでの欠席連絡や校務での生成AIの活用など業務の効率化を進めています。

また国も対策を実施。部活動を地域のクラブなどに移して指導を行う「部活の地域移行」を進めています。

■城東中 今年度から休日の部活動を禁止に

体育館に響く声……

【遠藤瞭汰教諭】
「万全の態勢で地区大会挑めるようにしましょう」

遠藤先生は男子バスケ部の顧問をしています。
城東中では教員の負担を減らそうと今年度から休日の部活動を禁止に。平日も基本は放課後の30分に活動を縮小しました。

それ以降の活動は地域クラブに切り替わり外部のコーチが指導を行い教員は原則立ち合いません。

また、「部活動強化週間」を設置。地区大会前の6月などは部活動の時間を前倒しして、活動時間を70分に延長するため、年間の授業数を確保したうえで、6時間目の授業をカットしています。

こうした取り組みの結果、教員の一か月の平均残業時間がおよそ10時間減るなど確実に効果は現れています。

【男子バスケ部副顧問 佐藤皓教諭】
「働き方本当に変わりました。私子ども3人いるんですけど一番上の子が生まれた時は本当に土日も試合でいなくて遊べる時間はすごく少なかった。今三人目が一歳なんですけどここ最近は一緒に過ごす時間が多い」

◆定時後も授業準備をする多くの教員の姿が

部活動が終わった放課後の職員室。定時を超えても行事や授業の準備をする多くの教員の姿がありました。

【2年担当の教諭は】
「授業が詰まっていたりきょうみたいに内科検診があると対応に追われるので、落ち着いてやっとコーヒーも入れて仕事ができる感じではあります。4時35分に部活終わった生徒が帰るのでそこからやっと残りの仕事です」

部活動の地域移行などにより教員の負担は減っていますが、決して削ることのできない仕事が多くあります。

【2年生担当の教諭は】
「頭痛でお休みだった んですけどその後体調どうかわかりますか?」

欠席者が安心して翌日、学校へ来られるよう保護者へ連絡する様子も。

【2年生担当の教諭は】
「お仕事中申し訳ございませんでした失礼します」

◆聖職と呼ばれた教員の仕事 働き方改革進む一方葛藤も

かつて「聖職」とも呼ばれた教員の仕事。
子どもたちのために時間をかけてでもよりよい授業・生徒指導がしたい
働き方改革が叫ばれる中現場はその狭間で揺れています。

【城東中学校 倉若拓人教頭】
「突き詰めだしたら教員どの職業でもそうだと思うんですけど無限にやることが出てくる。僕らは子どもが好きだし授業が好きだしよりよいものを目指してしまう」

◆部活動終了後も続く授業準備

新人の遠藤先生。部活が終わった後も翌日の授業の実験準備を進めていました。

【遠藤瞭汰教諭】
「一回やってみないとどんな結果どんな感じになるか分からないので一回ちょっとやっています」

教員として働き始めおよそ2か月……
生徒の成長を近くで見守ることができる仕事に使命とやりがいを感じています。

◆「やりがいがほかの大変さを忘れさせてくれる」

この日は勤務開始から11時間が経った午後6時半に退勤しました。

【遠藤瞭汰教諭】
「1人の生徒の成長を見たり行事に挑む姿を見たりそういったやりがいがすべてほかの大変さを忘れさせてくれるのが魅力なんじゃないか」

なり手不足が課題となる教育現場。

働き方改革が進む一方どこまで時間をかけて子どもたちと向き合うのか…
葛藤が続いています。