トークセッションを行う(左から)中山雅史氏、イチロー氏、末続慎吾氏(カメラ・古川 剛伊)

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 マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクターのイチロー氏(52)が27日、MUFGスタジアム(国立競技場)で行われたイベント「第2回 ユニクロ イチロー DREAM FIELD DAY」に参加した。1998年サッカーW杯フランス大会で日本人初得点を記録した中山雅史氏(58)、2008年北京五輪男子4×100メートルリレー銀メダリストの末続慎吾氏(46)も参加して共演した。

 同イベントには小中学生約180人だけでなく、指導者の大人も参加した。指導者論も時代とともに変化しており、困惑する指導者も少なくない。高校生を指導することもあるイチロー氏は「指導はいますごく難しい。指導者はみんなそこで悩んでいる。褒める時も、しかる時も、愛情を持っていてほしい。それさえあれば子供たちの感性で感じてくれると思う。理由があるからこうなっているっていうことで自ら高められることがあると思う。こうしなきゃいけないのではなくて、愛情を持って、子供たちと接する。それにはいつも観察していないといけない。常に目を見張らせている。どういう子供たちの変化があるのかを見極めるために、それは大変なことだけど。それは必要なことだと思う」と思いを口にした。

 ジュビロ磐田でコーチ、アスルクラロ沼津で監督を務めた経験もある中山氏は「決めつけないということかなと思う。個人の自由度、イマジネーション、アイデアをより出してほしい。それによって選手の能力を開花させられること、レベルアップにつながると思う。まずは自由度があったり、求めることで、楽しさをずっと持ち続けてほしい。好きでやっていること、好きでやり出したことなので、その気持ちを忘れずにいける環境を整えられればいいなと僕自身も思っています」と理想を口にし、末続氏も「指導とか、教育とかは難しい時代ですけど、伝えるべきことは感情じゃなくて、教える側の真剣さ。大好きなことを選手側も、指導者側も。真剣さがどう伝わるかが非常に大事。それには感情が乗っかるときもある。今の時代に何が必要かというと、大人がいかに真剣であるかということ。子供は大人のまねをする。真剣さもまねをする」と力説した。

 理想の指導者について話題が及ぶと、イチロー氏は「仰木監督ですね。オリックス時代の監督ですが、指導者はどうしてもこうでなくてはいけないで、縛ってしまうことは多い。それが一番手っ取り早い。仰木監督はそれぞれの個性を見極めて、こいつがどうしたら伸びていくかの性格分析がすごかった。わりと僕は…、完全に自由にやらせてもらった。それはなんでその判断をしたかというと、おそらく僕が自分に厳しい人間だという評価をしてくれたと思う。こいつは放っておいてもやると。全員僕みたいに接しているのかと思ったら、違う。当時なので…。この人そういうところが…、それは衝撃でした。指導者としてこうなれたら勝ちという状態は監督のために結果出したいと思わせたら勝ち。そうすれば頑張らざるを得ない。あくまでもゲームの駒として使われていると感じたらそうはならない。仰木監督は天才だった。この人のために頑張りたいと。結局チームの優勝につながった。見事でした」とオリックス時代の恩師の名前を挙げた。

 中山氏は「鈴木政一さん。ジュビロで監督をやられていた方。その人は、自分が選手だったときに、いろいろチームに対してアプローチしたことをどんどん選手がそれに近づいて完成度を増していった。いろんなことを考えて、アプローチして、選手を鼓舞し、選手を誘導してそういうところに持って行った。なんでできるのかなと。選手の時はそれほど不思議ではなかった。やらないとチームが強くならないと思ってやっていたけど、どう誘導するのかはさりげなく選手に伝えている。どなるような人ではない。優しく接する、説明の仕方は、今思うとすごくさりげなく、チームを持って行っていたなと思う。ああいう監督になればいいなと思った」、末続氏は「高校の時の指導してもらった先生。禿(かむろ)先生。ぼくもかなり自由にやらせてもらった。ほかには厳しく指導している。この間会うことがあったときに、駅伝で全国で思うような結果が出ずに、本当にへこんでいた。それを見てかっこいいと思った。いま65歳くらいだけど、いまだに求めるものがある。選手に何かを要求するときに覚悟を持ってやる。そういう指導者像が日本人に向いていると思う。距離が近くて、もの見えぬものを感じ取れる感性もいい。バトンパスもそう。見えないものを察する力が日本人はある」と明かしていた。