11日に開幕を迎えた北中米ワールドカップでは、2026-27シーズンの競技規則改定で盛り込まれたスローインの「5秒ルール」が新たに導入されており、開幕戦からさっそく主審がスローワーに早く投げるよう促す場面が目立っている。

 新たに導入された「5秒ルール」はスローインを行う選手が意図的に遅延させたり、再開までに時間がかかったりしていると主審が感じた場合、目に見える形で5秒間のカウントダウンをスタートし、超過した場合は相手ボールのスローインとなるというもの。開幕2試合を終えた時点で相手ボールになった目立った例はないが、主審はかなり注意深く時間を見ている様子で、チェコ対韓国戦ではチェコの素早いロングスローが先制点につながるなど、各国ともに素早いリスタートを意識しているようだ。

 この新ルールは日本代表にとっては追い風となり得る。

 第2次森保ジャパンが発足した2023年3月以降、日本代表は新たに就任した名波浩コーチのもと、ポゼッションやミニゲームをスローイン起点で行うというスタイルを導入。代表活動のたびにトレーニングを重ね、複数パターンを構築しながら試合での活用に繋げてきた。

 導入のきっかけとなったのは「カタールW杯ではスローインを投げるのが遅かった」(DF長友佑都)という課題だ。W杯を外から見ていた名波コーチの視点では相手の準備が整ってからリスタートしたり、相手のスキを突けていなかったりすることが目立っており、入閣後の積み上げにつなげた形だった。

 そのため3年間にわたって積み上げてきたスローイン練習では、単に受け手が良いポジションを取ったり、受けたあとの展開ルートを整備したりするだけでなく、素早くリスタートをする意識自体が組み込まれている。その結果、今大会のキャンプ期間にも「5秒ルール」対策は入念に行っているが、選手たちは特に違和感なく取り組めているという。

 11日の練習後、スローワーを担うウイングバックの選手たちに話を聞くと、MF中村敬斗(スタッド・ランス)は「もともと長く時間をかけるわけではないのでそんなに気にしていない」と淡々とした様子。シャドー起用の場合は受け手も担うMF伊東純也(ゲンク)も「ルールがあるぶん、早くやらなきゃいけない。でもそんなに時間を使うことがないのでそんなに考えなくてもいい」と話していた。

 さらに伊東からは「スローインの練習はずっとやってきているし、(リスタートに)時間をかけていないので問題ない」という頼もしい言葉も。反対に守備面では相手の素早いリスタートに注意深く反応し、マーカーに寄せていく必要があるものの、こちらも中村は「常にクイックな部分は集中しているので大丈夫」と自信を見せた。

(取材・文 竹内達也)