はま寿司で”洗剤ぶっかけ”逮捕の43歳男 送検時にカメラから身を隠すも…待ち受ける重い責任

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護送車の中では動揺した表情

動画配信者による飲食店での迷惑行為がまた起きてしまった──。

大手回転寿司チェーン「はま寿司」の店内で迷惑動画を撮影し、SNSに投稿した疑いで43歳の男が逮捕された。

「6月3日に逮捕されたのは埼玉県毛呂山町在住の無職・新西悠太(しんにしゆうた)容疑者です。埼玉県警によると、新西容疑者は5月27日に埼玉県内の『はま寿司』に一人で来店。皿に載った寿司二貫に、自身が持ち込んだ食器用洗剤をかける様子を撮影しました。その後、SNSに動画を投稿したことで運営会社に苦情が殺到。運営会社にクレーム対応をさせた威力業務妨害の疑いが持たれています」(全国紙社会部記者)

調べに対し、新西容疑者は「注文したマグロの上に液体をかけ、動画配信したことは間違いありません」と供述。ただ、液体に関しては、「食器用洗剤の容器に入れた水」と主張しており、動機に関しては、「SNSの再生回数を増やしたかった」などと供述しているという。

「新西容疑者のTikTokなどのSNSのアカウントには約1万人のフォロワーがいると報じられています。これまでも自身の頭にカップ麺や納豆をかけたり、卵のパックを踏み潰す動画を投稿しており、そのたびにSNSのコメント欄が荒れていました。今回、洗剤ぶっかけ動画を投稿した翌日、フォロワー100万人超えインフルエンサーがこの動画をXにピックアップしたことで大騒ぎとなり、警察が動きました」(前出・記者)

フォロワー欲しさに大胆不敵な迷惑行為を繰り返していた新西容疑者だが、6月4日に埼玉県警西入間署から送検される際は、護送車の中で身体を前に倒し、報道陣のカメラから必死に身を隠そうとしていた。カメラに写った新西容疑者の横顔は、動揺しているように見えた。

迷惑配信者による“企業テロ”は一向に減る様子がなく、定期的に世間を騒がせている。’23年には、岐阜県内の回転寿司チェーン『スシロー』で、男子高校生(当時)が店内の醤油を容器から直に飲む動画をSNS に公開。少年は器物損壊の非行事実で岐阜地裁に送致され、『スシロー』の運営会社『あきんどスシロー』は少年に対し、6700万円の損害賠償請求訴訟を起こした。

新西容疑者に対して『はま寿司』の運営会社が訴訟提起した場合、どれほどの請求額になるのか。アトム法律事務所の松井浩一郎弁護士に話を聞いた。

「中身が水かどうかは関係ない」

「スシロー事件は株価が大きく下落するという被害が出ましたが、現時点においてそこまでの被害は確認できておりません。スシローのケースで請求された約6700万円という金額は、株式時価総額が一時大きく下落した被害を背景にしたものでした。今回のケースはそこまでの規模には至らない可能性がありますが、それでも、数十万円から数百万円規模の請求は十分にあり得ると思います。最終的な金額は、運営会社がどこまでの損害を立証できるかによって決まります。

本人は『洗剤の容器に入れた水だった』と主張しているようですが、仮にそれが事実だとしても、洗剤の容器を使って撮影し拡散している以上、『洗剤をかけた』と受け取られることは当然予想できる。中身が水であったかどうかは賠償責任の有無を大きく左右しないと考えます」

起訴された場合の量刑はいかほどか。

「威力業務妨害罪の法定刑は3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です。前科がなく、たとえば被害店舗に対して被害弁償が済んでいるようなケースであれば、起訴されたとしても罰金刑、あるいは執行猶予付きの判決にとどまる可能性が高いと見ています。処罰を求めて刑事告訴された場合の求刑としては、拘禁刑1年前後といった水準が一つの目安になるでしょう。

もっとも、これはあくまで標準的なケースを想定したものです。SNSの再生回数目的という動機の悪質性、拡散による被害の大きさ、本人の反省の度合い、被害弁償の有無によって、量刑は変わってきます」

一向に減らないSNS再生回数を増やすための飲食店への迷惑行為。今回の事件について、松井弁護士は次のような見解を示した。

「スシロー事件で運営会社が高額の損害賠償請求に踏み切り、それが大きく報道されたことは、『軽い気持ちのいたずらでは済まされない』というメッセージを社会全体に強く印象づけました。企業側も、以前なら謝罪で済ませていたような行為に対して、刑事告訴や民事提訴といった毅然とした対応を取るようになっています。

『バズりたかった』という安易な動機で起こした行為が、刑事責任に加えて多額の賠償、そして個人情報の拡散による社会的制裁まで招きかねない。その代償の大きさを、改めて重く受け止めるべき事案だと考えます」

この声が、迷惑動画を撮り続ける動画配信者たちに届けばいいのだが──。