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 9日、栃木県宇都宮市の住宅街に現れたクマ。捕獲されたのはJR宇都宮駅から直線距離で約2kmの場所でした。市は別のクマが出没する可能性も否定できないとしていて、周辺では引き続き警戒が続いています。

【写真を見る】捕獲された体重約100キロ・オスのクマ 泳ぐ・走る様子も

 もし市街地でクマに遭遇してしまったらどうすればいいのか?専門家への取材をもとに解説します。

【取材】
石川県立大学・大井徹特任教授
兵庫県立大学・藤木大介准教授

なぜ市街地に現れた?「メスを求めて活発に行動する中で…」

 今回捕獲されたクマは体重約100キロのオスの成獣でした。

 なぜ市街地に現れたのか?クマの生態に詳しい石川県立大学・大井徹特任教授は、「6・7月は交尾期のため、メスを求めて活発に行動する中で市街地に“迷い込んだ”のではないか」との見解を示します。

 若いクマは一般的に、親離れして新たな生活圏を求め広く移動するといい、人間に怖い目にあわされた経験がないことから人目につくなど大胆な行動をとることもあるということです。

「クマが泳ぐ・走る」市街地では見慣れない光景も

 宇都宮市内ではクマが「川を泳ぐ」「道を走る」などの姿も見られました。

 兵庫県立大学・藤木大介准教授は、「泳ぐのは珍しいことではない。移動目的のためならダム湖を泳いで横断することもある」と指摘。

 また、走っていたことについて大井特任教授は「市街地でさまざまな刺激に驚きパニックになって逃げ回っていたのではないか」といいます。

市街地にクマが出没する立地条件

 クマの個体数が増え「生息域が人里周辺へと広がっている」と大井特任教授は指摘。実際に、環境省の調査によると、ツキノワグマの分布面積は1978年の2倍に増えています。

 市街地にクマが出没する立地条件として、藤木准教授は「クマが人目につかずに移動できる経路がずっと伸びている」ことを挙げています。

 具体的には、生息する山から河川を伝って下りていき、茂みのある河川周辺の市街地へ、といったルートだといいます。

市街地でもし遭遇してしまったら…?

 クマと遭遇した時の対処法としてよく言われるのが「鈴を鳴らす」「大声を出す」といった行動ですが、これはあくまでも山中での予防策であると大井特任教授は指摘します。

 もし市街地で遭遇してしまった場合は、

・大声を出さずクマを刺激しない
・静かに遠ざかり住宅や建物の中に避難する

 そして、もし避難が間に合わない場合は、以下のような行動をとってほしいといいます。

・道の端に寄ってクマの進路を遮らない
・電柱があればその陰に入る

 市街地のクマ出没は宇都宮市に限った話ではなく、立地条件がそろえば関西でもありうるとのこと。クマはどこに出没してもおかしくない、という心構えで生活する必要がありそうです。

(2026年6月10日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)