韓国の輸入車市場で異変 中国車が初めて日本車を「逆転」 世界に広がる“メイド・バイ・チャイナ”の波

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韓国輸入自動車協会は6月1日に注目すべき統計を発表した。今年4月の韓国における輸入乗用車の新規販売で、中国製が史上初めて日本製を上回ったというものだ。

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中国は2023台を販売して日本(1974台)を上回り、欧州(1万6385台)、アメリカ(1万3611台)に次ぐ3位となった。その背景には、BYD(比亜迪)の活躍があった。

BYDは2025年4月から公式販売を開始し、わずか1年で累計1万台を突破した。現在、韓国に公式進出している中国の自動車ブランドはBYDが唯一である。単一企業として、トヨタ、レクサス、ホンダなどの日本ブランドを上回った。

昨年1月にBYDが韓国進出を宣言した際に掲げた目標は、年間1万台の販売であった。短期間で販売基盤を構築し、価格競争力を武器に多彩な電気自動車(EV)のラインアップをそろえると発表した。

BYDの抱いた野望は、単なる妄想ではなかった。準中型SUV「ATTO 3」を皮切りに、中型セダン「SEAL」、高性能SUV「SEALION 7」、小型ハッチバック「DOLPHIN」などを相次いで投入し、大ブームを巻き起こした。また、32の展示場と16のサービスセンターを構築した。

では、中国車の全体的な販売と輸出の状況はどうだろうか。

昨年の輸出を含む中国製自動車の販売量は前年比9%増の3440万台である。全世界の販売量の35.6%を占め、2020年の32.4%、2022年の33.5%、2024年の34.3%と増加を続けている。このトレンドは、電気自動車やハイブリッド車などの新エネルギー車(NEV)と輸出が牽引している。

新エネルギー車の販売量は2020年にはわずか136万台にとどまっていたが、2022年に688万台、2024年に1286万台、2025年には1649万台へと爆発的に増加した。全体の輸出台数も2020年の1000万台、2022年の311万台、2024年の586万台、2025年の709万台へと急成長を遂げている。

日本車を抑え“3番手”に浮上した中国車

新エネルギー車の輸出は2020年の7万台、2022年の68万台、2024年の128万台、2025年の261万台へと急増した。これにより、自動車輸出全体に占める新エネルギー車の割合は37%に拡大した。

興味深いのは、乗用車と商用車の輸出比率の変化だ。トラックやバスなどの商用車は2020年まで25〜35%のシェアを維持していたが、2021年からそのバランスが崩れ、2025年には乗用車が85.1%、乗合車(ミニバンやバスなど)が14.9%を占めるようになった。

昨年、中国は世界の自動車販売で日本を抜いて1位に登りつめた。輸出においては、2024年にすでに1位を獲得している。

(写真=photoAC)

こうした背景には、中国ブランドの躍進がある。

2021年まで中国の乗用車市場において、外資系ブランドは55〜65%のシェアを維持していた。しかし、2022年に50%、2024年に34.8%、2025年に30.5%へとシェアが急激に落ち込んだ。中国の消費者の半分近くが新エネルギー車を選択する市場環境に、外資系ブランドが適切に対応できなかったためである。

EVの技術革新をリードするテスラを除けば、中国で目立った販売実績を上げている外資系ブランドは見当たらない。現代(ヒョンデ)自動車、起亜(キア)自動車が最も大きな打撃を受けた。

もともと現代自動車、起亜自動車は中国において価格に対する技術やデザインに優れた「コスパの高い外資系ブランド」として人気を集めていた。2016年には179万台を販売し、7%台のシェアを達成した。

しかし2017年以降、高高度防衛ミサイル(THAAD)配置に伴う中国の経済報復や経営陣の戦略ミスなどが重なり急激な下落へと転じた。2016年10月に河北省滄州、2017年7月に重慶に、それぞれ30万台の生産能力を持つ工場を無理に完工させた。さらに重慶では、SUVが人気を博している現実を無視し、セダン中心の生産ラインを構築してしまった。

販売量が急転直下する渦中、現代・起亜自動車はTHAADのせいにするばかりで、EVへの市場変化に対応できなかった。その結果、昨年、現代・起亜自動車は46万台の販売にとどまり、シェアは1.3%にまで低迷した。逆に、コストパフォーマンスを前面に押し出した中国ブランドは、内需だけでなく輸出も主導した。2025年には奇瑞(チ루이)が134万台、BYDが105万台、上海汽車が95万台、長安汽車が63万台、吉利汽車が60万台、長城汽車が50万台などを輸出した。大半のメーカーが前年比10%台の増加率を達成し、BYDにいたっては143%という驚異的な成長を記録した。

中国製自動車の輸入国はメキシコ(62万台)、ロシア(58万台)、UAE(57万台)、イギリス(33万台)、ブラジル(32万台)、サウジアラビア(30万台)、ベルギー(30万台)、オーストラリア(29万台)の順である。東南アジアを中心とした開発途上国が多く輸入しているだろうという偏見を覆す結果となった。むしろメキシコ、イギリス、オーストラリアなどは、販売量が前年比で40〜50%増加している。

こうした実績を背景に、昨年の世界自動車メーカーの販売量ランキングにおいて中国勢はBYD(460万台、6位)、上海汽車(450万台、7位)、吉利汽車(411万台、9位)の3社がトップ10入りを果たした。

中国ブランドは、「メイド・イン・チャイナ(中国内製造)」から「メイド・バイ・チャイナ(中国技術による製造)」へと転換しつつある。

当初は欧米の関税障壁を打破し、現地市場を積極的に攻略するために工場を海外へ移転させた。これに伴い、タイ、インドネシア、インド、ウズベキスタン、ブラジルなどで生産拠点を運営しており、ハンガリーにも欧州初の進出を果たした。最近では、自ら工場を建設する代わりに、技術提携や出資を選択するケースが増えている。日産自動車は、経営難に陥っていたスペイン工場を奇瑞との技術提携によってEVを生産する形で復活させた。

中国、技術標準の確立でグローバルサプライチェーンの掌握狙う

こうした現実を捉えた中国政府は5月26日、「自動車標準化業務要点」を発表した。今後は車載用半導体、人工知能(AI)、バッテリー、自動運転など、自動車の核心技術を網羅する規則を整備し、国際標準をリードしていくという方針だ。

昨年までに中国は、EVやスマートコネクテッドカー、車両安全などの分野で50前後の国際標準を主導するか、または開発中であった。しかし今回、中国が技術をリードするEVのバッテリー耐久性や安全性、自動運転などに関する規定を含む国連の自動車規則に、より深く関与する意向を表明した。

中国が国際標準を決定する立場になる可能性は高い。世界最大の産業基盤から消費市場までをすべて有しているからだ。

仮に中国の思惑通りに事が運べば、今後のグローバルサプライチェーンを掌握される恐れがある。

中国は自動車部品において、その狙いをすでにある程度達成している。自動車部品の輸出額は2022年の493億ドル(日本円=約7兆9043億円)から2025年には590億ドル(約9兆4595億円)に増加した。

注目すべきは輸出先の比率だ。アメリカ(17.5%)、日本(7.5%)、メキシコ(7.4%)、ドイツ(5.4%)、韓国(4.9%)などの順となっている。

中国ブランドの輸出が阻まれているアメリカが最大の市場となっている状況は、尋常ではない。

(記事提供=時事ジャーナル)