スーパーで特売されるコメ(5月26日、千葉県柏市で)

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 コメの店頭価格がじわり下落している。

 スーパーで販売された5キロ当たりの平均価格は年初から700円下落し、2000円台で「特売」する店も出ている。価格下落の背景には、増産や価格高騰による「コメ離れ」がある。卸売業者の間では、新米が出回る前に値下げして売り切ろうとする動きも出ている。(貝塚麟太郎)

年初から740円下げ

 「広告の品 5キロ・グラム2777円」

 千葉県柏市のスーパー「おっ母さん食品館柏の葉キャンパス店」では先月26日、入り口脇の目立つ位置にコメ袋が積まれていた。税込みでも3000円を下回る特売品だ。

 卸売業者が従来より安値を提示することが増えており、最近では2500円台(税抜き)で販売することもあるという。運営会社「三和」の池田宗幸・グロサリー部長は「3月頃から仕入れ価格が大きく下がった。来店客の反応もいい」と話す。

 農林水産省が5日に発表した先月25〜31日に全国のスーパーで販売された5キロあたりの平均価格は、前週より19円安い3673円だった。昨年12月29日〜今年1月4日から比べると約740円値下がりしている。

食習慣に変化

 価格の低下には、供給と需要のバランスが崩れていることがある。米価の高騰を受け、25年産は主食用米の増産が進み、前年に比べて収穫量が大幅に伸びた。

 一方、価格高騰により落ち込んだ需要は戻りきっていない。コメの業界団体「米穀安定供給確保支援機構」の調べでは、1か月当たりの1人のコメ消費量は3月まで13か月連続で前年同月を下回った。4月はプラスに転じたものの、一度パンや麺類に主食を切り替えた食習慣は簡単には変わらない可能性がある。

 こうした状況により、卸売業者には在庫が積み上がる。民間在庫量は180万〜200万トンが適正水準とされるが、今年6月末時点の在庫量は、比較可能な04年以降で最高となる、最大234万トンを見込む。

コスト反映

 一部の卸売業者は、高値で仕入れた在庫の「損切り」を進めている。3月は多くの企業が決算期を迎えることから、積み上がった在庫を赤字覚悟で放出する動きが出やすかった。こうして放出されたコメが特売品などとして出回ったとみられる。

 26年産米についても、生産現場での作付け意欲が高いことなどから、価格の下落基調が続くとの見方が出ている。農水省の作付け意向調査(4月末時点)によると、生産量は需要見通しに基づく目安(711万トン)を上回る733万トンとなる見通しだ。

 東北大の冬木勝仁教授は「需給状況などを勘案すれば、26年産の店頭価格は5キロ税込み3000円台前半になりそうだ。3000円を割り込む可能性もある」と指摘している。

 価格下落は、消費者の負担軽減につながる一方、農薬や肥料などのコストが高止まりする中、農家の経営を圧迫する。