ケネディ宇宙センターから打ち上げられるスペースXの「ファルコンヘビー」ロケット=2024年6月/Miguel J. Rodriguez Carrillo/AFP/Getty Images

(CNN)米スペースXは3日、新規株式公開(IPO)を通じて750億ドル(約12兆円)を調達する計画を発表した。同社の時価総額は約1兆7700億ドル(約283兆円)となり、既に世界長者番付トップの経営者イーロン・マスク氏は、資産総額1兆ドルを超す史上初の「トリリオネア」になる可能性がある。

米証券取引委員会(SEC)に提出した書類によると、スペースXは5億5555万株を1株135ドルで売り出す計画。IPOは12日を予定している。

マスク氏は現在、スペースX株の半分を保有しており、IPO後も全株式のほぼ半分を握り続ける。ただし、この中には議決権の大きい特別株が含まれており、マスク氏はIPO後も議決権の82.4%を持つ。

IPOの規模としては、2019年にサウジアラビアの石油大手サウジアラムコが調達した290億ドルを上回り、史上最大となる。人工知能(AI)競争の激化に伴い、スタートアップの評価額は上場前から急騰している。

スペースXはロケットや人工衛星などの宇宙ビジネスに加え、AI分野でも注目を集めている。SEC提出書類では、宇宙開発事業に加えてAI事業や宇宙データセンターの建設計画にも重点を置いた。今回のIPOや今後予想される株式売却で調達した資金は、宇宙ビジネスとAIビジネスの両方に必要な巨額の設備投資に充てる計画だ。

マスク氏が02年に設立した当初のスペースXは、ロケットの製造や宇宙輸送を中核に据えていた。21年には衛星インターネットサービス「スターリンク」の提供を開始して通信分野に進出。26年2月には、SNS大手「X」を傘下に持つマスク氏のAI企業、xAIと合併した。