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ヤマハ 吉川剛志氏「共感から価値共創へ。ブランド体験をグローバル…
ヤマハ 吉川剛志氏「共感から価値共創へ。ブランド体験をグローバルに広げる」
ヤマハ 吉川剛志氏「共感から価値共創へ。ブランド体験をグローバルに広げる」
2025年のマーケティングおよびメディア業界は、急速な技術進化と市場構造の変化が重なり、これまで当たり前とされてきた前提が揺らぎ始めた1年だった。とりわけAIの進化は、ツールの域を越え、マーケティングにおける生産性と創造性の前提を書き換えつつある。同時に、検索、ソーシャル、コマース、生成AIといった接点が複雑に絡み合い、顧客体験の「入り口」そのものが分散・再編されはじめた。企業は、どこで顧客と出会い、どの瞬間に価値を届けるのかという問いを、改めて突きつけられている。一方で、データプライバシー規制の強化やプラットフォーム側のポリシー変更は、データドリブンな戦略における新たな課題を投げかけた。こうした激動の環境のもと、私たちは既存のビジネスモデルを柔軟に見直し、新しいテクノロジーをどう組み込んでいくかが問われている。Digiday Japan恒例の年末年始企画「IN/OUT 2026」では、当メディアとゆかりの深いブランド・パブリッシャーのエグゼクティブたちにアンケートを実施。2025年をどのように総括し、そして2026年に向けてどのような挑戦とビジョンを描いているのか。その声を紹介する。ヤマハで、ブランド戦略統括部 コーポレート・ブランディング部 部長を務める吉川剛志氏の回答は以下のとおりだ。◆ ◆ ◆
――2025年のもっとも大きなトピック・成果は何ですか。 2024年に立ち上げたブランド発信施設「ヤマハミュージック横浜みなとみらい」と「ヤマハサウンドクロッシング渋谷」における多くの展示・イベントを企画・運営を通じて、これまでブランドとしてつながりの弱かった楽器未経験者総・初心者層や、クリエーター層・若年層といった顧客層との関係性を構築できたことが大きいです。新規顧客との接点の創出や、若手クリエイター・ミュージシャンとの連携・共創を加速させることができました。ここで企画されたブランド発信コンテンツはグローバルにも横展開が始まりました。またグローバルなブランド発信では、楽器演奏において失敗することを恐れずに楽しもう、むしろ自分のミスを愛していこうという「Knock Turn」というブランドキャンペーンを行いました。有名なショパンのノクターンという楽曲を題材に、当社の練習アプリのユーザーデータを解析して、最も間違えやすいポイントをあえてそのまま楽譜に書き起こしてしまい、そのまま演奏を楽しむというイベントです。多くのユーザーの方々から共感の声を頂き、キャンペーン動画や音声広告も含めて多くの広告賞を頂くに至りました。こうした多くの活動を重ねることで、当社独自のブランド調査や外部調査においても、ブランドへの愛着・共感度が高まっているのを感じます。――2026年に向けて見えてきた課題は何ですか。 消費者の購買行動の変化の一つに、「一つ一つの商品の機能的価値」よりも「企業の価値観・ストーリー」に共感することが購買決定に至る大きな要素となってきている、という傾向があると思います。まさにそうした企業の価値観やストーリー発信を通じて、ブランドに対する共感を高めていく仕事をしていますが、一方でこれがどのように各事業・各商品のブランディング、マーケティングと有機的につなげられるかというところは課題だと思っています。グローバルに導入が完了したYamaha Music IDの導入によって顧客とのつながり・理解が深まっていく中で、さらなる価値提供や価値共創が生まれる仕組みが必要と感じています。また情緒的価値においては、「信頼できる」「本物である」といったイメージはあるものの、これまでブランドとして足りていない「先進的である」「情熱的である」といったイメージを醸成していくために、ソーシャルメディアコンテンツの見直しやリアルのブランド体験の場における新しいイメージの構築を進めていくつもりです。――2026年にチャレンジしたいことを教えてください。 当社のブランドスローガン「Make Waves」は、お客様が感動を生み出す瞬間に寄り添い、サポートすることを約束しています。この企業姿勢は数々のブランドキャンペーンや企業広告、ソーシャルメディア発信において一貫性をもって伝えられ、その反応もとても良いと感じています。ただし、そうした体験を実際の商品・サービスを利用して頂く中で長期間にわたって感じて頂くことがより重要になってくるため、インターナルブランディングにもしっかりと力を入れ、より事業や販売の現場においても、この姿勢が貫かれるようにしていきたいと考えています。また、これまで日本で企画されていたブランドキャンペーンを、グローバルチームを編成し、そのチームで企画から実施までコミットすることで、より一体感・ボリューム感のあるグローバルキャンペーンに昇華させたいと思っており、そのためのキックオフをしたところです。若年層を意識して社会課題にも目を向けながら、音楽の楽しさをつたえる一貫したコミュニケーションを通じて、グローバルにヤマハブランドへの愛着と共感の醸成を加速したいと思います。
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